第二章
[8]前話
実際に燻製焼き機をインターネットで安く購入し。
桜の木の燃料も肉も買ってだった。
公香は燻製を作りだした、だが燻してからだった。
何時間もかかって出来たのでだ、夫はいぶかしんで言った。
「こんなに時間がかかるんだ」
「そうよ」
「それに燻してる間結構匂いがしたし」
「煙も出たわね」
「お庭でやったから近所迷惑にはなってないけれど」
二人の家は市の外れの方にある、隣から結構離れているのだ。買いものには車か自転車が必要だがこうした時はよかったと夫は内心思った。
「けれどそのこともね」
「問題よね」
「うん、燻製と一口に言っても」
「作るのは大変ね」
「そう思ったよ、これならね」
夫はさらに言った。
「普通に買った方がね」
「いいわね」
「そう思ったよ」
夫はこう妻に言うのだった。
「自分で作るとなると大変だね」
「それでも楽しいわよ、じゃあ夜にね」
「燻製食べるんだね」
「折角作ったから。じゃあこれからはね」
妻は燻製焼き機から燻製にした肉を出しつつ話した。
「お肉やお魚を趣味でね」
「燻製にしていくんだ」
「あとチーズとかも」
「そうして食べるんだ」
「ええ、確かに作ったら手間がかかるけれど」
「保存も利くしね」
「いいわよ、後は味ね」
笑顔で言ってだった。
妻は夕食の時作った鶏肉の燻製を出した、それを夫婦で食べると。
「美味しいわね」
「そうだね」
「じゃあこれからもね」
「作ってくれるかな」
「そうするわね」
妻はテーブルに向かい合って座って一緒に食べている夫に笑顔で話した、二人が食べているその燻製は確かに美味かった。
それで趣味で燻製を作っていったが。
「今度はソーセージ作ったわ」
「何か時間かかったね」
「腸と挽肉買ってそれで作ってね」
そのソーセージをというのだ。
「燻製にしたから」
「時間かかったんだね」
「そうよ」
「本当に燻製は自分達で作ると時間かかるね」
「そうね、お店で買ったらすぐに手に入るものでも」
「自分達で作るとそうだね」
「世の中そうしたものもあるわね」
妻も応えた、そうしてだった。
その夜は夕食にソーセージを出した、そのソーセージも実に美味かった。そうして二人で簡単に作られないだけはあるとも話したのだった。
燻製は簡単には作れない 完
2022・5.24
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