第二章
[8]前話
今は欠伸をした、そうして眠りだした。
店長をはじめとした店の者達も常連の客達もだった。
ゆうさくはこのまま店にいるのではと思っていた、だが。
ある日店に来た若い夫婦が店長に話した。
「あの、この子いいですか?」
「家族に迎えて」
「えっ、この子ですか」
店長は夫婦の言葉を聞いて少し驚いて言った。
「いいんですか」
「はい、そうですが」
「見ていいと思いまして」
「大人しくて優しいですね」
「そうですね」
「確かに大人しいですが」
それでもとだ、店長は話した。
「お爺さんですがいいですか」
「幾つですか?」
「お爺さんっていいますと」
「十三歳です、いいですか?」
「はい、いいです」
「最後まで面倒を見ます」
夫婦は店長に約した。
「これからも」
「そうさせてもらいます」
「そこまで言われるなら」
店長も頷いた、そしてだった。
夫婦にゆうさくのことそうして猫の飼い方まで話してだった。
彼を家族に迎えてもらった、そのうえでゆうさくに彼が旅立つ時に笑顔で声をかけた。
「これから幸せになるんだぞ」
「ニャンニャン」
ゆうさくは嬉しそうに鳴いてだった。
そのうえで旅だった、その後でだった。
彼のことを客に話すと客はカウンターでコーヒーを飲みつつ言った。
「よかったな」
「そうですね」
「ああ、家族が見付かってな」
「本当にそう思います」
「お爺さんでも縁があったらな」
「家族に迎えてくれますね」
「そうだな、そう思うとな」
実際にとだ、客は言った。
「どの子もこのお店にいたら」
「迎えてもらえますね」
「そうだよな、俺も家族に迎えてるしな」
「そう考えるとですよ」
「ずっとこのお店やっていきたいか」
「そう思えます」
店長は客に笑顔で話した、そしてだった。
カフェにいる猫達の世話もした、どの猫達も暖かい店の中で幸せそうにくつろいでいる。そうして縁を待っているのだった。
雄の老猫が得た幸せ 完
2022・5・23
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