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『外伝:青』崩壊した世界に来たけど僕はここでもお栄ちゃんにいじめられる
やっぱりフォーリナーはおそろしい話
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ゥちゃんのマスターになっちゃおっかなー?」
「やだもーおじさまってばぁ?」

お酒を飲みながら会話は弾み、基本的に否定的な意見は言わない。
お客の話や意見に全て肯定し、武勇伝は褒めちぎり悲しい話は同情して一緒に悲しんであげる。
さらにお酒を飲みすぎてしまったといい、どさくさに軽いボディタッチをしてしまえばお客さん達はもう既にユゥユゥの虜となる。
あと仮契約中の彼氏って…もしかして僕?


「ユゥユゥちゃーん、こっちこっちー!」
「あ、ちょっとまっててね!」
「ユゥユゥちゃーん!俺んとこにもお酒ちょーだーい!」
「ばっきゃろうてめぇ俺が先だ!俺がユゥユゥちゃんの注いでくれたお酒飲むの!!」
「うるせぇバカタレ!!俺が先だ!!」
「ああもう喧嘩しないで!!みんな仲良し!でないとユゥユゥ、みんなのこと嫌いになっちゃうゾ?」
「「「えへへごめんなさ〜い」」」

接客はパーフェクトだった。
さすがは数々の男をダメにした傾国の乙女ではある。

「すごいなぁ…。」
「全く…新しいスタッフに皆夢中だ。ついこの前までマキさんにお酒をついでもらいたいとか言っていたくせに…。なんて薄情なんだろうか。しかし僕は最初から最後までマキさん一筋なわけなんだけどね!!そんなキミの隠れた瞳に乾杯。」
「はい、かんぱい。」

そして僕は常連さんや僕に熱心な海賊さんの相手をしつつ、『蜘蛛の糸』での時間はあっという間に過ぎていった。


?


「それじゃあお先に失礼します。お疲れ様でしたー!」
「明日もよろしくお願いしまーす!」

深夜二時。
酔っ払い達を無事見送り、『蜘蛛の糸』は無事閉店。
一通りの後片付けを終えて僕達は帰路に着いた。

「楽しかったねマイマイ!」
「うん…ってなにそれ。」
「あーこれ?お客さんからもらったの!」

と、両手に紙袋を持ったユゥユゥ。
なんでも新人歓迎だと言って貰ったらしい。
僕もプレゼントを貰うことはあるが、ここまでは無かった。
中身は…まぁすごい。ものすごく高い高級品ばかりだとだけ言っておこう。

「僕持つよ。」
「え、いいよいいよ。」
「女の子にそんな重いもの持たせて、僕だけ手ぶらはよくないから。」

断るユゥユゥから強引に荷物を取り上げ、持ってあげる。

「マイマイは、忙しいね。」
「え?」

と、少しの間無言で歩いていると、ユゥユゥが腕を絡ませそう話しかけてきた。

「だって、お家に帰ったら家事全般こなして、それからこうやって仕事に行くんでしょ?」
「うん。まぁ。」
「…ちょっと、キツくない?」
「そんなことないよ。」

確かに忙しいと感じる時はある。
でも、キツイなんて思ったことは無かった。

「家に帰れば、お栄ちゃんがいる
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