第2部
スー
アープの塔
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きそうな声で言うと、ルカは呆れたように私を見た。
「何変な顔してんだよ、アネキ。ほら、この通り、なんともないよ。魔物だっていなかったし」
「よ、よかったぁぁ……」
私はほっと胸を撫で下ろし、へなへなとその場に座り込んだ。
「それよりも、ちょっと引っ張り上げてくれない? 手が疲れたんだよ」
なんて早速生意気なことを言うので、思わず私は苦笑してしまった。
「ルカのお陰で山びこの笛が手に入った。ありがとうな」
お礼を言うとすぐにルカの前にしゃがみこみ、手を差しのべるユウリ。そんな彼を前に、ルカは思いきり動揺した。
「!! い、いえそんな、ユウリさんのお役に立てればと思っただけで……。そう言っていただけて嬉しいです!!」
ユウリの手を握りながら、ルカは照れながらも這い上がる。このところ機嫌の悪かったルカだったが、今回のことがきっかけで、なんとなく自信に満ち溢れた表情をしている。なんにせよ、機嫌がよくなったようでよかった。
ともあれ私たちはようやく、オーブ集めに必要なアイテムを手に入れることが出来た。スーの里に戻ったら、最後の鍵を見つけて、テドンにあるらしいグリーンオーブを手に入れなければならない。やっと魔王の城に一歩近づけたような気がして、私は今までよりも心なしか気分が軽くなっていたのだった。
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