暁 〜小説投稿サイト〜
俺様勇者と武闘家日記
第2部
スー
アープの塔
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
きそうな声で言うと、ルカは呆れたように私を見た。
「何変な顔してんだよ、アネキ。ほら、この通り、なんともないよ。魔物だっていなかったし」
「よ、よかったぁぁ……」
 私はほっと胸を撫で下ろし、へなへなとその場に座り込んだ。
「それよりも、ちょっと引っ張り上げてくれない? 手が疲れたんだよ」
 なんて早速生意気なことを言うので、思わず私は苦笑してしまった。
「ルカのお陰で山びこの笛が手に入った。ありがとうな」
 お礼を言うとすぐにルカの前にしゃがみこみ、手を差しのべるユウリ。そんな彼を前に、ルカは思いきり動揺した。
「!! い、いえそんな、ユウリさんのお役に立てればと思っただけで……。そう言っていただけて嬉しいです!!」
 ユウリの手を握りながら、ルカは照れながらも這い上がる。このところ機嫌の悪かったルカだったが、今回のことがきっかけで、なんとなく自信に満ち溢れた表情をしている。なんにせよ、機嫌がよくなったようでよかった。
 ともあれ私たちはようやく、オーブ集めに必要なアイテムを手に入れることが出来た。スーの里に戻ったら、最後の鍵を見つけて、テドンにあるらしいグリーンオーブを手に入れなければならない。やっと魔王の城に一歩近づけたような気がして、私は今までよりも心なしか気分が軽くなっていたのだった。
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ