脅威 ムーンキャンサー
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
ムーンキャンサーの触手が、ほむら、まどか、さやかの三人に襲い掛かる。
ほむらはまどかを抱き寄せ、ジャンプ。
同時にさやかの体も、大量の水に包まれていく。再びマーメイドの姿となり、レイピアで触手を切り弾いた。
「なんなのこいつっ!?」
続けさまにマーメイドはその足元に水を発生、ムーンキャンサーに接近した。
「はあっ!」
マーメイドが繰り出した突撃は、そのままムーンキャンサーの中心を突き刺す。
そのまま大きく体を曲げたムーンキャンサーは、森の奥に投げ飛ばされた。
「二人とも、平気?」
「う、うん。ありがとう……」
礼を言うまどかに対し、ほむらはマーメイドへの警戒を強める。着地したほむらが、背中に回したまどかを遠ざからせた。
「……ファントム……」
「マーメイドって名前があるんだけど。まあ、ぶっちゃけ美樹さやかのままがいいけど」
「ファントムの名前なんて知ったことではないわ」
「せめてさやかちゃんって呼んでくれないかなぁ!?」
ほむらは冷たく言い放ち、迫る触手へ銃弾を撃ち込んでいく。
一方のマーメイドも、動くたびに水が流れ、触手に応対していく。彼女が動けば動くだけ、ムーンキャンサーを追い詰めていく実感がある。
「あなた、参加者よね……?」
だが、ほむらの問いに怪物は答えない。言葉を口にする機能もないそれは、返答することもなくマーメイドへ触手を伸ばしてくる。切り落としながら、マーメイドは怪物がまどかから遠ざかるように、木々の間を飛び回る。
「このっ!」
マーメイドの周囲に発生した無数のレイピアが、その指示により一斉にムーンキャンサーへ放たれる。
細い外見とは裏腹に、機動力のない怪物は、その剣を全てその体で受けていく。
だが、全く手応えがない。マーメイドはその様子を怪訝に思いながら、魚のような下半身で宙を泳いでいく。
やがて、怪物はその口にあたる部分より、黄色の光線を発射する。
超音波にも近い音量のそれは、マーメイドの脇を掠め、木を縦に切断した。
「……っ!」
その切れ味に戦慄しながらも、マーメイドは両手にレイピアを持ち、身構える。
「転校生!」
「くっ……!」
マーメイドの声に、ほむらは応じる。
投げられたスモークグレネード。それは、ムーンキャンサーに命中と同時に爆発。その周囲を白い霧で覆いつくす。
視界を奪った。
それを狙ったほむらの行動だった。
だが。
「転校生! 危ない!」
その言葉の意味を、ほむらは理解できなかった。
煙の中に見える、ムーンキャンサーの影。マシンガンを連射し、ムーンキャンサーを蜂の巣にしていく。
だが、その長い触手が地面を伝って、自身の背後に回り込んで
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ