第三話
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邪を引かせた責任を取って部屋で看病してるわけなんだけど、
熱に浮かされたあの子はさっきから私の手を握って離さないから困ったもんで。
甘えん坊なのよねー、昔から。いや、違うか。甘えん坊というよりも寂しがりやなのよね。本当は。
こういう時、心細くなって誰かに側にいてほしいってのは分かってるんだけど、
私も忙しいし小十郎も建前を気にして側にいて欲しいって言わないしさ。
大抵ほったらかしになっちゃうんだけど……今日は流石に建前よりも本音の方が勝っちゃったか。
「……あねうえ?」
ぼんやりと目を開いて小十郎が私を見る。
目が覚めちゃったのか、なんて思っていたところで小十郎が突然私の手を引いて自分の布団の中に引っ張ってくる。
これには唖然としてしばらく言葉にならなかったけれど、しっかりと小十郎に抱きしめられて
同じ布団に納まることになっちゃって、さてどうしたものかと考えてる。
いやいや、いくらなんでもこれは不味いでしょ。いくら兄弟だからとはいえ、同じ布団で寝てるなんてさぁ……。
姉に見られたら何を言われることか。
「ちょっと何やってんのよ、放しなさいって」
「……嫌です」
「嫌って、アンタね」
「……頭を撫でて下さい。昔みたいに」
普段なら絶対に言わないそんなことに、ぽかんと口を開けてしばらく小十郎を見てしまったけど、
あの頃は私を抱いて身をすり寄せて、小さい頃みたいに甘えてきてる。
……おいおい、今二十二だよ? 立派な大人でしょ? 全く、熱で頭をやられて子供に戻っちゃったか?
軽く溜息を吐いて頭を撫でてやると、小十郎は嬉しそうな顔をして笑っていた。
小さい頃もこうやって私が頭を撫でてあげると嬉しそうな顔をして屈託の無い笑顔を見せてたっけ。
もしかして、普段口には出さないけど甘えたいのかな。元々寂しがりやなんだからそんな風に思っていても分からなくもないか。
安心しきったような顔をして眠ってしまった小十郎の腕から這い出るべく、
布団を出ようとするけれど小十郎の腕の力が殊の外強くてそれも叶わない。
どうしたもんかと悩んでいたところに、ふと妙な気配を感じてぐるりと強引に身体を入口の方へと向けた。
何となくだけど、人の気配がする。それも……一人じゃない、複数だ。部屋の前に誰かが立ってる。
もう城の人間は皆眠っているはず。
姉が心配して様子を見に来たのなら、こんな複数の気配を感じることはない。とすると……一体何者?
引っ付く小十郎を引き剥がしたいけれど、あの子は私を抱いて安心したように眠ってるから振りほどくことも出来ない。
いざとなれば重力の力で撃退するしかないけど、それもちょっと心もとない。
すっと部屋の戸を誰かが開く。大
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