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レーヴァティン
第二百四十八話 港と港からその十三

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「アストロ球団だったか」
「野球漫画だったな」
「かなり激しい」
 週刊少年ジャンプで連載されていた、助走なしで何十メートルも飛び上がる者達が殺し合いの様な野球を行う作品である。
「その作品で」
「言っていたか」
「ブン屋、つまりジャーナリストが嘘を書けば終わりだと」
「言っていてもだな」
「その様に」
「昔はそう思われていたな」
「新聞やテレビは嘘を言わないと」
「その話自体が嘘だ」
 英雄は言い切った。
「むしろ新聞やテレビこそだ」
「嘘を書いて言うでござる」
「それも意図的にな」
 読者や視聴者を騙し自分達の思惑通りに動かす為にだ。
「そうしてくる」
「そうでござるな」
「それを特に効果的に行えるのがな」
「テレビでござるな」
「そうだ、ある番組はダイオキシンの報道でその場所の農家の人に大きな打撃を与えたが」
 それでもというのだ。
「キャスターは頬漬けを付いて謝罪してだ」 
「終わりでありました」
「そんなものだ、テレビの害毒はな」
「計り知れないものであります」
「この世で最も害のあるものの一つだ」 
 偏向報道を考えればそうなるというのだ。
「実にな」
「そうでありますな」
「この世界にはまだないがな」
「幸いに」
「しかし瓦版でもな」 
 こちらの媒体でもというのだ。
「要するに新聞だからな」
「害は大きいであります」
「誹謗中傷や嘘を流して煽る様ならだ」
 そうした瓦版はというのだ。
「発禁にして出す者もだ」
「厳罰でありますな」
「死罪にもする」
 極刑もあるというのだ。
「殺人よりもだ」
「害は大きい」
「そうだ、麻薬を売るよりもだ」
 それよりもというのだ。
「嘘を垂れ流すことはだ」
「悪行でありますか」
「俺はそう思う、他の者はどうだ」
 英雄は仲間達に問うた。
「発禁や死罪はやり過ぎか」
「それは」
 誰も反対しなかった、そして峰夫が言ってきた。
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