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魔法使い×あさき☆彡
第二十四章 みんなの未来を守れるならば
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アサキの身体が震えた。
 ぴしゃり電撃を受けたように、ぶるり激しく。
 目が、大きく見開かれていた。

「まさか、二人に……」

     2
 頬を引つらせたまま、赤毛の少女はがたがた震えている。
 
「ん? 二人って誰かなあ?」

 深まったのか浅まったのか分からない微妙な感じに、至垂の笑みが変化した。
 赤毛の少女の、心をより追い込むために。
 より突き落とすために。
 笑みの質がどうであれ、からかっていることに違いはない。
 でも、その効果は赤毛の少女、アサキには覿面であった。

「ふ、二人っ、す、(すぐ)()さんとっ、(しゆう)(いち)くんに、な、なにかっ、なにか、したんですか!」

 狼狽していた。
 外面からもひと目で分かる、思考の混乱。

 混乱、焦り、不安。
 そうなるのも当然だ。

 至垂はアサキの家族に対しても触手を伸ばしている、ということが分かったのだから。
 からかうために曖昧な言葉ばかり選んではいるが、はっきりいわれたも同然であり、家族として冷静でいられるばずがなかった。

「やだなあ、まるでわたしが酷いことをしたかのようじゃないか。……丁重に、ここへお招きしただけだよ」

 ゆっくりと、はっきりと、囁き声に似た、至垂徳柳の言葉。
 曖昧はいま、確実になった。

 アサキの心臓は、一瞬にして冷たく凍り付いていた。
 鼓動しているのが不思議なほどに。

「ど、どこ、二人は、どこにっ、いるんですかっ!」

 身体が、ガタガタと震えている。
 指が、ぷるぷると震えている。
 顔が、すっかり青ざめている。
 どうしたらいいのか、どう思えばいいのか、気持ちが、わけが分からなくなっている。
 身体の中が、熱い、冷たい。
 よじれそうだ。
 ねじれて裂けそうだ。

 狼狽して、半ば真っ白な意識の中、残った意識が、他人事のように胸の中に言葉を吐く。
 やっぱり先ほどからの戯言は、このことをいっていたんだ。
 わたしが自分の家族を思う気持ちを、やたら否定するような、からかいの言葉は。
 でも、それは当たり前のことじゃないか。フミちゃんのことだって心配だったけど、修一くん、直美さんは、わたしの家族なんだ。
 自分の家族を一番に思うことの、なにが悪い。
 しかも、直美さんのお腹の中には……

 無意識が勝手に紡ぎ出す、思考の言葉ではあるが、考えるほど息が苦しくなる。
 家族を心配する気持ちと、親友への罪悪感で、胸が痛くなる。
 唾を飲もうと喉を動かすが、水分を失って喉にべったりへばりついているようで、まともに飲み込めず、不快感はまったく楽にならなかった。

「会いたいかい?」

 脳に飛び込む、甘い声。
 ねっとりと
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