第九話
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れに伊達の連中も揃って笑ってるしさ。
冬の寒さも忘れるほどの温かさに、小十郎の目から涙が零れていく。
「信用してるに決まってるだろう……初めて俺を人として扱ってくれた連中なんだ」
「だったら、兄ちゃんは鬼じゃねぇ。きちんと人だ。……えっと、竜だったか?」
いつきちゃん、何かマジで私達を竜だと思ってるっぽいぞ。でもまぁ、いいか。
信心深い山の民だし、そのくらい信じて貰った方がかえってややこしくなくて済むかも。
「人でいいよ、人で。小十郎、きっちり泣いちゃいな。付き合ってあげるから」
しっかりと抱きしめてあげれば、あの子もしっかりと私に手を回して肩に顔を埋めて泣いていた。
これで小十郎は大丈夫だろう。鬼だ、なんて言って一人で傷つくことはない。
こんな様子を見ていた政宗様に向かってにやりと笑っておけば、向こうもにやりと笑って答えてくれる。
もう小十郎は大丈夫だ、そんなサインを私達はこっそりと交わしていた。
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