第八話
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て、どうしたものかしらね。
「小十郎! 景継!」
おっと、タイミング良く政宗様と農民達が戻ってきたぞ?
どうも話を聞けば、軽く一戦交えて全員ぶちのめしたらしくて、
こんなことをやってる暇があるのならとっとと村に行くぞ、と嗾けたらしい。
農民達はすっかり縛られている伊達に扮した兵達を見て、酷く驚いた顔をしていた。
「結局何処の連中だったんだ」
「名乗ったわけではありませんが、織田の手の者かと」
「……織田?」
何故そこが、と政宗様が訝しがっている。まぁ、それは私も最初は同じこと思ったからともかくとして。
「ところで、うちじゃない、って……納得してもらえたのかしらねぇ……」
そんな私の言葉に農民達を見る。農民達は酷く戸惑った顔をして私達や偽者達を見ている。
これで良い方向に変わればいいけど、なんて思ったその時、一揆衆の中から声が上がる。
「何でそいつら生かしておくだ! おら達の村を滅茶苦茶にした奴らだ! 殺さなきゃ気がすまねぇ!!」
こんな言葉に顔色を変えたのは私達の方だ。縛られて身動きの取れない連中に向かって、今にも袋叩きにして殺そうとしている。
いつきちゃんが必死に農民達に止める様にと叫んでるけど、結局農民達は聞く耳を持たないでいる。
都合の良い時だけ神の子として崇めて、こんな時はただの子供扱いする。
なんだか人間の嫌なところを見せ付けられてるような気がしてならないわ。
……本当、いつきちゃんこっちに引き取れば良かった。こんな都合よく利用されちゃうんならさ。
「おめぇら、止めねぇか!!」
小十郎を始めとした伊達の連中が止めに入るけど、一度いきり立ってしまった農民達は納まりがつかない。
こんな状況でうちが止めに入っているから、やっぱり仲間なんだと始まってまた収拾のつかない状況になりかけている。
……何か、結局のところは私達は信頼されちゃいなかったってことじゃない?
っていうか、こっちの温情につけ込まれて、都合の良いように扱われてたって気だってしちゃう。
一触即発の事態になりかかったところで、私達の隙を突いて脱出を試みていた偽者の一人が
縄を解いて、あろうことかいつきちゃんを人質にとりやがった。
「いつきちゃん!!」
「動くな!!」
いつきちゃんの首筋に突きつけられている匕首は、何処かに隠し持っていたのだろうか。
こんな脅しに屈したくはないが、下手に動けばいつきちゃんの命が無い。
「おい、そんなことをして無事でいられると思ってんじゃねぇだろうな」
「伊達軍は子供の命がどうなってもいいのか? それでもいいのなら、我々を殺せば良い。だが、この子供も道連れになるがな」
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