番外編1〜いつきという少女 後編〜
第六話
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けにはいかないとか言い出した小十郎の腹に肘内を食らわせて、
怯んだ隙に飛び上がろうとすると、いつきちゃんが政宗様の脇をすり抜けて私達のところに走ってくる。
「おらも連れて行ってけろ! おらの村だ、おらが守らなきゃならねぇ!!」
おおっと、どうしよう。流石に子供を連れて行く気には……
「景継、いつきも連れて行ってやれ。お前らが化け物じゃねぇって証人、一人くらいいなきゃ話にならねぇだろ」
……まぁ、政宗様がそう仰るのなら仕方が無いけど。
「いつきちゃん、空を飛んでいくからしっかり掴まっててよ?」
「わかっただ!」
二年前のあの時みたいに、しっかり私の腰にしがみついたいつきちゃんと、
無理矢理腰に手を回して逃がさないようにしている小十郎を連れて軽く地面を蹴って空へと舞い上がる。
そのまま空を滑空して村へと急いだんだけど、初めて空を飛んで感動しているいつきちゃんとは対照的に、
未だにこれは慣れないとばかりに緊張が隠せない小十郎がかなり情けなく思えてしまった。
……アンタね、十一の子供より肝っ玉が小さいとこを見せんじゃないわよ。全く。
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