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Fate/WizarDragonknight
新条アカネ
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!」

 アカネがゴングリーと命名した怪獣は、その真紅の宝珠のような頭部を輝かせる。そして、ずんずんとツインテールへ近づいていく。

「……え!?」

 その気配に気付いて、ツインテールは逃げ出す。
 だが。

「ほらほら、逃げちゃダメだよ」

 アカネは笑顔のまま、ターゲットが逃げ惑う姿を鑑賞する。
 彼女の名前___それが、鹿目まどかという名前さえも知る由もない。
 ただ、人が見上げる大きさの怪物は、唸り声を上げていた。

「な、何……!?」

 驚いたターゲットのまどか。
 だが、もう遅い。
 その時、ゴングリーの目前に、赤い何かが割り込んできた。
 まどかにとっても、そして今この見滝原公園にいる人にとってもお馴染みのもの。
 消火器。
 それは、ゴングリーが放った触手に突き刺さる。それは、ゴングリーの視界を白い化学薬品で覆った。

「まどかっ!」

 さらに続く、別の少女の声。
 青いボブカットの少女が、ターゲットを助け起こし、そのまま連れて行った。
 障害物の多い森を選び、一目散に逃げていく。

「逃げられないよ……?」

 ゴングリーが踏み荒らした跡に続いて、アカネは静かに彼女たちに付いて行った。
 その後ろで、霧崎が立ち止まっていることに気付くことなく。
 そして。

「さあ、マスター……」

 アカネが入った森へ背を向け、背筋を曲げる。そのまま首を動かさずに、森の入り口へ語りかけた。

「災いの影……そのゆりかごになってくれよ?」

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