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レーヴァティン
第二百四十七話 札幌入りその十三

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「世襲の国家元首にもだ」
「やはり何も言わない」
「しかしだ」 
 それでいてというのだ。
「自衛隊の悪口ばかり言いだ」
「皇室にも言う」
「どう見てもおかしい」
「全くだな」
「日本の皇室は駄目ならぜよ」 
 当季はいつもの余裕を見せず顔を顰めさせて語った。
「もうぜよ」
「北朝鮮の世襲も駄目だ」
「そうなるのが筋ぜよ」
「全くだな」
「そして自衛隊に言うならのう」
「あの国の人民軍とやらもだ」
「言うもんぜよ」
 それが筋だというのだ。
「まっことのう」
「その通りだな」
「あそこは自衛隊よりずっと大きい軍隊ぜよ」
 自衛隊は二十五万もいない、だがあの国の軍隊は百万を超える。一億三千万の人口の日本で二十五万以下で二千三百万と言われる北朝鮮でそうなのだ。
「しかも工作部隊や拉致にテロ、核兵器にぜよ」
「化学兵器まであるというな」
「それではぜよ」
「自衛隊より遥かに問題だ」
「軍国主義って言うならぜよ」
 昭和から平成にかけて翼賛化だの軍靴の足音だの反動だのという言葉と共によく出ていた。
「それならのう」
「あの国こそまさにそうだ」
「徴兵制反対と言うなら」
「あの国は国民皆兵制と言っていい」
 予備戦力まで含めると九百万ある、それこそ戦場に立てるのならば男女の区別なくそうなっている国であることがわかる。
「最早な」
「この幕府でもそうしてないぜよ」
「全くだ」
「戦国時代でも違ったぜよ」
「百姓の次男三男や雇われた兵を使っていた」 
 そうした者達を戦の時だけ雇い入れてだ。
「そうしていた」
「信長さんの兵農分離まではのう」
「そして明治以降もな」
 徴兵制を敷いたがだ。
「厳しい身体と素行の検査を行ってな」
「兵隊さんにしていたぜよ」
「それが現実だった」
 その実態は厳密な選抜徴兵制であったのだ。
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