第四章
[8]前話
「とても」
「ではまたモミの木に生まれたいかな」
サンタさんは自分の質問に答えたモミの木に今度はこう尋ねました。
「そうしたいかな」
「そうしたいです」
モミの木は一も二もなく答えました。
「是非」
「そしてまただね」
「長い間他の木や生きものとお話をして」
「自然の中にいたいね」
「そしてツリーになりたいです」
「他の生きものにならなくていいね」
「はい、僕はまたモミの木になりたいです」
あくまでこう言うのでした。
「そしてお爺さんともです」
「会いたいんだね」
「また会おうと言ってくれましたし」
「わかった、ではな」
サンタさんはモミの木野言葉に笑顔で頷きました、そしてです。
神様にお話してモミの木をまたモミの木に生まれさせてあげました、するとモミの木は自分がかつていた森に生まれて。
傍にあの年老いたモミの木がいました、年老いたモミの木は彼が目を覚ますとすぐに優しい声をかけてきました。
「また会ったな」
「そうだね」
「それじゃあこれからもな」
「この森で一緒にいようね」
「そして最後はな」
「ツリーになろうね」
「それまでずっと長い間だ」
まさにというのです。
「この森にいて何かと楽しもう」
「そうしようね」
「わしの言ったことがわかったな」
年老いたツリーは若いツリーに尋ねました。
「ツリーになるのは最後でいいとな」
「一生のだね」
「そうだ、よくわかったな」
「わかったよ、じゃあ今度の一生も」
「ツリーは最後だな」
「最後の最後の楽しみにするよ」
若いツリーも答えました、そうしてでした。
またこの森で長い間楽しい時間を過ごすことにしました、最後の最後にツリーになるその時も楽しみながら年老いたツリーと一緒にそうするのでした。
新説モミの木 完
2022・1・19
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