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勝てる筈がない
第二章

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「スケールモデル作ってこなかったな」
「けれど今の部活に入って」
「それでか」
「作る様になって」
 そうしてというのだ。
「日本軍のもなんだ」
「そうなんだな」
「軍艦にね」
 その作っているものを具体的に話した。
「戦闘機をね」
「作ってるんだな」
「まだ赤城と飛燕位だけれどね」
「飛燕、陸軍機だな」
「その違いもまだよくわかってないけれど」
 陸軍機と海軍機のというのだ。
「その勉強もしたいかな」
「じゃあうちに来い、それで日本軍の話もな」
 これもというのだ。
「聞いてくれというか見てくれ」
「それじゃあ」
 芥は森川の言葉に頷いた、そうしてだった。
 放課後まずは自分の部活に行って部長に事情を話して森川のいる軍事研究会に向かった、その部室に入ると。
 森川がいた、彼は芥が部屋に入ると他の部員達に事情を話してから彼に向かい合った。
「その日本軍の出鱈目だけれどな」
「慰安婦とかだね」
「これが全部合わせるとこうなるんだ」
「こうって?」
「読んでみろ」
 芥に一枚のパソコンの文章を印刷したものを差し出した、そしてこう言った。
「これをな」
「ええと、日本刀で百人斬り殺して?」
「知ってるよな、日本刀一本で斬れるのは二人か三人だ」
「ビームサーベルなら斬れるよ」
 芥はアニメモデルを作っていたことからこう答えた。
「モビルスーツとかの」
「ビームだとな」
「けれど刃物だとね」
「血糊が付いたり骨切って刃毀れしてな」
「そんなに斬れないよ」
 実はそうだというのだ。
「これがね」
「だから一回の戦場で百人斬ろうとするとな」
 実際にそうしようとすればというのだ。
「一人辺り三十本必要だ」
「凄いね」
「そんなにものがあったか」
 森川は芥に問うた。
「当時の日本軍に」
「あったらもっと楽に戦っていたね」
 即座にだ、芥は答えた。
「当時の日本軍って貧乏で有名だったじゃない」
「それがだぞ」
「一人で三十本も刀を使えるとかね」
「一回の戦闘でな」
「ものあり余ってるね」
「しかも百人斬ったんだぞ」
 森川はこのことをさらに言った。
「一回の戦いでな」
「それ滅茶苦茶強いね」 
 芥は素直に述べた。
「RPGのキャラみたいだね」
「ドラクエとかのな」
「滅茶苦茶強いよね」
「それもやった人は士官だからな」 
 森川は階級の話もした。
「それぞれの部下を率いていたんだ」
「そうして戦っていたね」
「そうしながらな」
 そのうえでというのだ。
「百人斬り合ったんだ」
「敵兵をだね」
「戦いながらな、無抵抗の相手を一度に百人じゃないぞ」
「それでも凄いけれどね」
 芥は真顔で述べた。
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