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七年も
第三章
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な」
「そうしていく、気が向いたらな」 
 その時はというのだ。
「風呂もな」
「入るか」
「そうするな」
 前川に酒を飲みながら述べた、そうしてだった。
 二人で共に飲んだ、そして。
 堀田は気の向くままに生きていった、風呂もだった。
「昨日入った」
「半年ぶりだな」
「そうした、あと今度新幹線が完成するな」
「そうだな」
「それも乗るか」
「気が向いたからか」
「そうするな、気が向いたことをする」
 この時は前川の家でそこに行く途中で買ったたい焼きを共に食べつつ話した。
「それが俺だからな」
「新幹線にも乗るか」
「そうするな」 
 たい焼きの中の餡子の味を楽しみつつ話した、その目は明るく澄んでいた。そこに暗いもの悪いものは何もなかった。


七年も   完


                     2021・11・16
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