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少女は 見えない糸だけをたよりに
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ゃぁ泣けないもんね」

「そうかー 辛かったんだね でも 君は 素直で良い子だよ きっと これから、素敵な人生が待っているよ」巧さんの言葉は私に希望を与えてくれる。

「そーだといいなー あなた達が良い人なんで こんな話しちゃった 忘れて! ここ 良い場所でしょう? 香りのするいい波がくるんだぁー」

 その後、3人は砂浜が広がる浜辺に戻って、海に入った。海水を掛け合ったりして、お互いに沈め合ったり、私は、男の子と海で遊ぶのも慣れていたから、二人と身体が触れ合うのも平気だった。二人も、最初は遠慮していたけど、そのうち、私から抱き着いて行ったりしたもんだから・・。

 そして、いつの間にか、白い大きな犬が私達のまわりに・・

「バク」と、私がその犬とじゃれあっていると

「か な み ちゃん 大丈夫なんか その大きな犬」と、巧さんが

「うん なかよし だよー あそこの民宿の犬」

「そっ そー 懐いているんだ でも 大きくて こわいなー」と、はじめさんも、徐々に離れていっているような。

 浜に上がってからも、バクは私の顔を舐めてきたり、じゃれていた。

「もうー バク おすわり」と、命令すると尾っぽを振ったまま、おとなしく私の横におすわりしていたのだ。

「香波ちゃん 珍しいね 今日は、彼氏を二人も連れているんかー バクはオスじゃけん 妬いとるんじゃー」と、民宿のおじさんが、バクを引き戻そうと寄ってきたのだ。

「ううん 厳さんちのお客さんじゃぁないのー 私 サービスしてんだよー」

「犬にも 好かれるんだね 香波ちゃんは 気持ちが優しいってバクもわかっているんだね」と、巧さんが・・この人は私にとって、嫌なことは言わない。あなたが優しいからよー と、思っていた。

「明日の朝 5時前起きよ 迎えに行くから」と、私は二人に念押しして別れた。
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