第2部
スー
スー族の里
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のかもしれない。それに最年長のアナックさんですら、年の割に筋肉質な体つきをしていた。ユウリが腕を振りほどけなかったのも、きっとここの人たち特有の体格だからなのだろう。
なんて二人で勝手にエドさんのことを予想し合っていると、先を歩いていたジョナスが急に立ち止まった。
「ここ、エドのいる家」
『え!?』
そこは、どうみても家屋というより、馬小屋だった。建物の外には干し草が積み上げられており、柵もある。
「おい。そっちは馬小屋だぞ。勘違いしてるんじゃないのか?」
ユウリも疑問を持っていたらしく、ジョナスに問いかける。
「ここ、エドの家。今、エド呼ぶ」
するとジョナスは、なんの迷いもなくそこに入ったではないか。ほどなく、馬の嘶く音が聞こえてくる。
「え? 大丈夫なのかな、ジョナス」
色んな意味で心配になった私は、ひょいと入り口から顔を覗き込んでみた。
「ヒヒーン!!」
「きゃあっ!?」
馬の嘶きと共に、突然馬の顔が私に向かって迫ってきたので、すんでのところでかわした。
「急に顔出す、危ない!」
ジョナスに大声で注意されてびっくりするも、さらに驚くことが目の前で起きた。
「いきなり顔を出すなんて、危険ですよ、お嬢さん」
ん? 今のは一体誰の声? と、きょろきょろと辺りを見回す。
「申し遅れました、私は喋る馬のエド。私に何か尋ねたいことがあるとお聞きしたのですが?」
『ええええっっっ!!??』
なんと、私たちが尋ねる相手というのは人ではなく、人の言葉を話す、白く美しい毛並みの馬だったのだ。
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