第2部
スー
スー族の里
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のアナック。わが里の者が失礼をした。彼……ジョナスは好戦的でな。すぐ力で解決しようとしてしまう」
そういってジョナスを一瞥するアナックさん。すると、ジョナスは先ほどの強気な態度とは一変、すっかりおとなしくなってしまった。
もしかして、アナックさんてジョナスよりも強いんだろうか?
「どうせ俺が勝つから大した問題じゃない。むしろわかりやすくていいと思うがな」
アナックさんの言葉に、平然と言うユウリ。私も一度はそんなセリフを言ってみたい。
「それならよかった。しかし、こんな何もない辺境の地に、何の用だ?」
「実は先日、エジンベアという国でとあるアイテムを手に入れたんだが、これが何か知っているか?」
ユウリが私に目配せをしたのを合図に、私は鞄の中から渇きの壺を取り出した。
「こ、これは……渇きの壺ではないか!! どうしてあなた方がこれを!?」
「やはり知っているのか。俺たちは『最後の鍵』を手に入れるため、この壺をもらった。だが、最後の鍵があるという『浅瀬の祠』の場所がわからなくてな。その場所の手がかりを探すため、あんたたちのところまで訪ねてきたんだ」
「確かにその壺を使えば、海の水など一瞬で干上がらせることが出来るはず。だが、それは本来わしらスー族の宝。かつてこの地にやって来た他国の略奪者によって奪われたものなのだ。他所の人間がおいそれと使っていいものではない」
つまり、元々は自分達のものだから、余所者には使って欲しくない、ということなのだろうか。
「もちろん鍵が手に入ったらこの壺はあんたたちに返す。それは約束しよう」
ユウリの言葉に、アナックさんはしばし彼を見据えると、納得したように頷いた。
「……どうやら嘘はついとらんな。ならば信じよう。だが、生憎わしには『浅瀬の祠』というものの場所は知らない。この里にいるエドに聞けばわかるかもしれないから、まずは彼に会って話を聞くといい」
「わかった。それで、そのエドという者は里のどの辺りに住んでるんだ?」
「ああ、エドなら……」
「待ってくれ!! エドに会う、私、案内する!!」
すると今までおとなしかったジョナスが、突然名乗りをあげた。
「うむ。ならジョナス。お客人の案内はお前に任せる。里の守りは他の者に頼んでおこう」
そう言うとアナックさんは一足先に里の中へと入ってしまった。
「ユウリ、こっちだ」
ジョナスの言葉に戸惑いながらも、私たちは彼の後をついていく。
「……エドさんって、一体どんな人なんだろうね」
ぼそりと私が言うと、隣で聞いていたルカが神妙な顔で考えていた。
「きっと、あのジョナスって人があんな大男なんだから、エドって人も似たような感じなんじゃない?」
言われてみれば、確かに同じ部族なんだから、似た体格の人と言うのはあながち間違ってはいない
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