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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第107話:奇跡を手にした者達
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透はライドスクレイパーに跨って飛んでいく。

 6人はある程度シャトルへ接近すると、装者達はミサイルを乗り捨ててシャトルへと取りついた。

「立花、奏!」
「はい!」
「応ッ!」

 取り付いた6人の内、奏・翼・響の3人はギアの一部を変形させてブースターにし、シャトルの落下方向に対する逆噴射を行い減速を図った。
 3人の行動によりシャトルは確かに減速した。だがまだ激突コースは変わらない。このままではシャトルだけでなく6人も纏めてお陀仏だ。

 勿論をれを受け入れる事はしない。クリスのミサイル、翼の脚部ブレード、響のガントレット、奏の砲撃が一斉に火を噴きシャトルにブレーキを掛ける。

「あっちぃ、少し冷やすか!」
〈ウォーター、ドラゴン。ジャバジャバ、バシャーン、ザブンザブーン!〉
〈ブリザード、プリーズ〉
〈グラビティ、ナーウ〉

 更に颯人はウォータードラゴンとなり、ブリザードの魔法で機体を冷やした。これで摩擦熱で機体の燃焼は防がれる。そして透のグラビティの魔法により重力操作で機体の落下速度はさらに下がり、シャトルは空気摩擦で空中分解することなく大気圏を突破する事に成功。

 だがまだ安心できない。依然としてカラコルム山脈への激突は避けられないコースで落下していた。
 最悪、船内に乗り込んでパイロットだけでも……と言う意見が司令部で上がったが、それは現場の装者達に一蹴される。

「そいつは聞けない相談だ!」
「人命と等しく、人の尊厳は守らなければならないもの」
「ナスターシャ教授が世界を守ってくれたんですよ。なのに、帰ってこれないなんておかしいです!」
「安心しろって。ここにはどんな絶望も希望に変えられる天才が居るんだからな!」

 要約すれば、パイロットの命だけでなくナスターシャ教授の……既に死した人の尊厳までをも守ると言う宣言。全てを欲しがるその優しい我儘は、本部の発令所だけでなく収容施設のマリア達の耳にも届いていた。

「どこまでも……」
「欲張りデスよ――!」
「チクショウ……敵わない訳だ――!」

 収容所で彼女達の強さと優しさを目の当たりにし、3人は静かに涙を流していた。

 その間にもシャトルは山脈の中で一際高い山・K2へと接近していく。見る見るうちに大きくなっていく山の姿に、しかし彼女達の顔に焦りは浮かばない。

「さぁてお膳立てはしてやったぞ? 一発決めてくれ颯人!」
「言われなくても分かってるっての! 透、行くぞ!」

 減速を奏達に任せ、颯人と透はシャトルの先端へと移動する。もう目前にまで迫ったK2には、あと数秒ほどで激突するだろう。
 その前に魔法使い2人は右手に同じ指輪を嵌め、タイミングを合わせて魔法を発動した。

「3カウントだ。透、3……2
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