第二部 1978年
ソ連の長い手
欺瞞
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豊麗な女性を紹介されても、無闇に手出しは出来ない
白面書生であれば、その愛の囁きに惑わされ、逸楽に耽り、身を滅ぼすであろう
もっともこの異界に在って、心の安らぎを得た事があったであろうか
宛ら雷雨の中を、当ても無く彷徨う様な感覚に襲われる
思えば元の世界の日本であっても、この心の孤独と言う物は満たされたことは無かった
答えの出ぬ自問を止め、意識を現実に振り戻す
ホープの紙箱を開け、アルミ箔の封を切る
茶色いフィルターの付いたレギュラーサイズのタバコを掴むと、口に咥えた
懐中より体温で仄かに温まったガスライターを出し、火を点ける
ブタンガスの臭いが一瞬したかと思うと、さや紙に広がる様に燃え移る
ゆっくりと紫煙を吐き出し、現状を確かめた
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