第二章
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「志賀君にティターニャ役頼んだのよ」
「そうしたらか」
「この通りなのね」
「絶世の美女か」
「そうなるの」
「そうよ、他の子も適役をあてたつもりだけれど」
それでもというのだ。
「妖精の女王ティターニャはね」
「志賀か」
「志賀君しかいないのね」
「そうなのね」
「そうよ、彼にはこのままいってもらうわ」
本番でもとだ、笑顔で言ってだった。
リハーサルを行い本番も迎えた、本番は舞台も衣装も演技も好評だったが。
特に律が美貌の妖精の女王を好演して評判でだった。
クラスは文化祭で堂々の一位となった、クラスでは誰もが律を最大の功労者とした。そして律自身もだった。
女装姿があまりにも奇麗ということで学園の女子から人気者となってだった。
同級生のある女子に告白されて付き合うことになった、そして演劇部にも入って大学に入ると劇団に誘われそこで美形の演技派と注目されてだった。
劇団の看板役者にまでなりテレビでも人気になった、そんな彼を観て同じ大学そして同じ劇団に入っている瑠美は笑顔で言った。
「よかったわね」
「まさか女装してこう変わるなんてね」
「私の目に狂いはなかったわ」
瑠美は律に笑って話した。
「本当に影山君ならね」
「いけるって思ったの」
「そうよ、それでティターニャになってもらったら」
「美人だって言ってもらって」
「今じゃ人気俳優ね」
「そうだね、それで今も女装役多いけれど」
律は自分からこのことを話した。
「女の子以上に奇麗だって言ってもらってるし」
「玉三郎さんみたいにね」
「そうだね、そう考えると尾見さんには感謝してもしきれないよ」
「そう思うの?だったらね」
瑠美は共に食事を摂る律に笑顔で話した、食べているのは焼肉だ。
「今日は君のおごりでね」
「それでいいんだ」
「いいわよ、私もいいもの観せてもらったから」
「それでいいんだ」
「いいわよ、今も観せてもらってるしね」
「ひょっとして僕の女装好き?」
「好きよ、そういうの元々好きで志賀君は特に奇麗だからね」
律本人に笑って話した。
「そして影山君の成功も見られてるし」
「自分がいけると思った相手の」
「それで充分よ、じゃあこれからも頑張ってね」
「それじゃあね」
律は瑠美の言葉に頷いた、そうしてだった。
この時の代金は彼が全部払い以後も活躍した、瑠美はそんな彼自分が見込んだ彼を観てそれで満足するのだった。
女装させてみたら 完
2022・4・21
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