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Fate/WizarDragonknight
オーバーブースト
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辺をどんどん破壊していくトレギアの攻撃だが、可奈美の足の速さによって捕らわれることはなかった。
 だが、トレギアの雷は的確に可奈美を狙ってくる。可奈美は避け、トレギアの後ろに回り込んだ。

「トレラアルティガ!」

 トレギアも振り向きざまに光線を放つ。
 避けられない。
 そう判断した可奈美は、千鳥を縦にする。銀の光を放つ千鳥は、そのままトレギアの攻撃を切り裂き、切り開く。
 そして。

「いっけえええええええええ!」

 発射された、青い光線。空中のトレギアを転がすが、それでもまだ倒しきれていない。

「浅いっ!」
『十分よ! オーバーブースト解除!』

 トレギアの目から、赤い光線が放たれる。
 だが、その前に可奈美の体が青い光に包まれる。すると、可奈美の体がリゲルと分離、さらに彼女に突き放されたことにより、トレギアの光線がその間を通過していった。
 そして、可奈美が付けた傷。リゲルが目指していたのは、それだった。

「ガンナー……! 貴様!」
「悪いわね……アンタは、何か気に入らないのよ!」

 リゲルの砲台が、青い光に包まれていく。その中でプログラムが書き換わっていくのだろうか、
 だが。

「ああああああっ!」

 発射直前で、トレギアが逆に砲台の銃口を掴んだ。

「なっ!?」
「トレラアルディガ!」

 トレギアの指先より、蒼い雷が直接彼女のバズーカ砲に流れ込んでいく。エネルギーの逆流で、リゲルの砲台が破壊された。

「そんなっ!」
「リゲルさん!」

 そのままトドメを刺そうとするトレギアに対し、可奈美が千鳥でその間に割り込む。

「衛藤可奈美ぃぃぃぃぃ!」

 トレラアルディガイザーの構えのトレギア。五つの赤い玉とともに放たれる彼の必殺技に、可奈美とリゲルが目を閉じる。
 だが。

『チョーイイネ キックストライク サイコー』

 トレギアの背後に、火の蹴り。
 ウィザードが、ストライクウィザードの体勢を放っていた。

「だああああああああああっ!」

 ストライクウィザードが、トレギアの肩に命中。トレギアは、その体のバランスを大きく崩した。
 準備していたトレラアルディガイザーも霧散し、残るトレギアは、無防備。
 この機を逃さない。

「迅位斬!」

 フォーリナーが与えた体力を考えれば、使えるのは一回限り。
 可奈美はありったけの力を込めて、すれ違うトレギアへ神速の斬撃で貫いた。

「紗夜さん!」

 トレギアの体が揺らぎ、薄っすらと紗夜の姿が浮かび上がる。可奈美は、左手で紗夜の体を掴もうとするが、可奈美の手が触れた箇所から、また蒼い闇に染まっていく。
 だが。

「今度こそ!」

 リゲルの声と共に
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