オーバーブースト
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、ウィザーソードガンで防御する。リゲルも、その砲台で自衛に入っていた。
そして落雷する蒼。
変身解除は免れたものの、ウィザードは膝を折り、体からは煙が上がっていた。
「ハルトさん!」
「まだ大丈夫……っ!」
立ち上がろうとしたが、右腕の痛みがさらに疼く。
だがその隙にも、トレギアの暴走は続く。
トレラアルディガイザーを再び放つ。その準備とばかりに、彼の目前には闇が集まっていく。
「仕方ない……! 衛藤可奈美!」
チャージ中の今しかない。そう判断したのか、リゲルはバズーカを放り捨てた。
「は、はい!」
「悪いけど、少し体借りるわよ!」
「え? 体?」
その発言に、可奈美は目を白黒させた。
だが、リゲルは説明することなく、手にした黒いカードを可奈美へ投げ渡す。
同時に、リゲルの体が消失していく。それはまさに、トレギアがトレギアアイを投げていく動きを思い出させるものだった。
それは、可奈美の手首で浮遊する。それは青い光を放ちながら、彼女の頭上へ移動した。
「ななな、何これ!?」
可奈美が驚いている間に、彼女の体への変化が続く。
赤を中心とした美濃関学院のセーラー服が、リゲルの青と白を基調としたスーツへ。腕や肩に白い武装が装備されている。
それはまさに。
リゲルの武装を、可奈美が纏った姿だった。
『オーバーブースト。悪いけど、しばらくの間体を使わせてもらうわ』
「使わせてもらうって何!? なんで頭の中にリゲルさんの声がっ!?」
可奈美は変わった外見を見下ろしながら、頭を抱える。
だが、リゲルの声は続く。
『氷川紗夜を助けるためよ。私の全リソースを解析に回す。その間、私は完全に無防備になるから、あなたの機動能力で時間を稼いで!』
「で、でも私……」
可奈美は千鳥を杖にしながら、体を支える。
祭祀礼装の力が、予想以上に可奈美の体力を奪っていった。
可奈美の自慢の剣術も、スピードも、これでは発揮することができない。
『どうしたの?』
「祭祀礼装を使ったから、体が動かない……!」
『はあ?』
リゲルの唖然とした声が、脳内を一色に染め上げた。
『それって、力を使いすぎたってこと? いきなり全力で体力使い果たすなんて素人じゃない!』
「それ言ったらおしまいだよ!」
「刻々帝」
その音は、フォーリナーの技。
振り返れば、フォーリナーの姿があった。四時を指す巨大な時計盤の前で、銃口を可奈美へ向けていた。
「えっ!」
避けられない。
可奈美は動こうとするものの、体力を使い果たした今の体では動けない。
そして。
「四の弾」
フォー
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