第二十ニ章 そう思うなら、それでも構わない
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ト》ヴァイスタになれるほどの魔道器でない。でも、むしろそれでいいんだ。魔道器を知る者として、魔道器を統べる。道具ではなく、支配者になればいいということ。『絶対世界』において、神になればいいのだ」
至垂徳柳は、狂気に塗られた使命感といった顔で、右腕を頭上高く振り上げた。
ふわり、ふわり、
天井から白いシーツが落ちてくるのを、その右手に掴んだ。
素早く首にまいて、全裸を覆い隠した。
即席のマントである。
さらに、細く長いなにかが落ちてくるのを、掴んだ。
それは武器、すらりと伸びて刃の幅が狭い、長剣であった。
長剣の剣身全体が、瞬時にして青白い輝きに包まれていた。
エンチャント。
魔力による、武器の性能強化である。
アサキは理解していた。
何故、生身の至垂徳柳がああも強かったのかを。
女性であるからだ。
さらには、キマイラであるため。
さらには、呪文を唱えることなく武器を魔力強化していたことから、非詠唱能力者。
効率的な魔力循環により、肉体能力が格段に向上する。
そうした理由によるものだ。
「さあ、第二幕を開始しよう。今度は、手を抜いたりなどしたら、その瞬間にきみの首が落ちるから、気を付けたまえよ」
全裸を巻き付けた白いシーツで隠した至垂は、そういいながらゆっくりと長剣を構えた。
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