第二部 1978年
ミンスクへ
華燭の典 その3
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の左右に振り分けられて立った状態で乗っている
体は暴れないように太さ1センチ程の紐で不思議な縛り方で縛られている
「大丈夫だ。
俺はお前たちに危害を与えるつもりはない……。
無事帰って俺の力がどれ程の物であるかを広めて欲しいのよ」
彼女は顔を背けた
「なあ、ベルンハルトよ。
人形細工のように美しい女を娶る……。
羨ましい限りよ」
男はそう言って哄笑した
「ふざけるな。
俺たちを解放しろ」
男は彼の言葉を無視して、飛行を続ける
「何、後悔はさせんよ。
ほんの2時間ほど飛んでウラリスクハイヴを綺麗に焼く様を間近で見せてやるというだけさ。
こんな特別サービスは滅多にお目にかかれぬぞ」
不敵の笑みを浮かべる
右の食指で、操作卓のボタンを押す
マサキは、彼等に分かる様にドイツ語でわざとらしく尋ねた
「美久、現在地は」
美久はいつも通り日本語で返答したが、もう一度ドイツ語で返した
怫然とした表情を読み取って、慌てて復唱したのだ
「現在地は……、ウラリスクの西方100キロです」
ユルゲンは、モニターを見る
視覚よりできる限りの情報を得ようと努力した
「安心しろ。この機体には全身にバリア体が張られている。
光線を出す化け物の心配は要らん」
一瞬にして仲間たちの半分を消し去った禍々しい光線級……
かなりの高度で飛行しているのを確認した彼は、気が気でなかったのだ
航空機操縦士としての訓練を受けていたことがこんな形で役に立つとは……
複雑な気持ちになる
「ハイヴを焼くまでに少しばかり俺の話をしてやろう」
「俺は科学者で、このマシンを作った……。
望まぬ形で戦いに放り込まれたのだが、この際、それを利用してこの世界を俺の遊び場にすることにした」
彼等の顔を見回す
「ベルンハルトよ。貴様と会うのは三度目だが、俺はお前の反抗的な態度が甚く気に入った。
だから、簡単に死なぬように俺が特別な仕掛け道具を貴様ら二人にくれてやる事にした」
彼は、思わず失笑する
「その指輪は只の指輪ではない。外見は白銀で作ってあり、埋め込まれた宝玉は特殊偏光加工をした水晶……。
内部は、次元連結システムとの通信が可能な細工がして在り、同じ次元に居るのならば、常にこちらから影響力を行使できる。
無論、そちらからこちらにも相互の呼びかけは可能だ……」
マサキは、流暢なドイツ語で捲し立てる様に説明する
「俺が持っている次元連結システムの子機には劣るが、100分の一のエネルギーを扱えるようにはなっている。
もっともこの俺とゼオライマーにはそのような物は効かぬがな……」
ユルゲンの反対側に居る、彼女の方を一瞬振り向く
だが、再び彼の方を向くと、説明を続けた
「副次的な効能として人体の活性化
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