見えてるから
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ギア……!」
「トレギアッ!」
その姿に、背後の紗夜が悲鳴を上げた。
ウルトラマントレギア。
フェイカークラスのサーヴァントにして、ハルトたちの宿敵。
蒼い仮面にその内情を隠し、ひたすらにハルトたちと敵対してきた人物。全身を拘束具で覆い、かつて内に入れていた邪神魔獣グリムドの力を使う者である。
「トレギア……! 何でここに!?」
「ただの散歩と言ったら……信じるのかい?」
トレギアは苦笑しながら静かに紗夜を見下ろす。
「やあ、氷川紗夜。久しぶりだね」
トレギアはちらりと紗夜を見て、ハルト、可奈美、そして影から現れたフォーリナーを見下ろす。
「フォーリナー……初めましてだね」
「ええ。こちらこそ、初めまして。フェイカー……いいえ。トレギアとお呼びしたほうがよろしいでしょうか?」
フォーリナーはその言葉とともに、トレギアへ銃口を向ける。
銃弾が発射されると同時に、トレギアの爪からも衝撃波が放たれる。二つは相殺、同時に爆発。その衝撃波がハルトたちを突き飛ばす。
さらに、戦える二人が離れていったことにより、紗夜が完全に無防備になる。
「さて……あまり効率的ではないが……いい演出材料になってくれよ。氷川紗夜」
トレギアはそう言って、自らの仮面を外す。それを紗夜に投げると同時に、その姿は闇となり吸収されていく。
「まさか……紗夜さん! 逃げて!」
ハルトが叫ぶが、すでに手遅れ。
「ひっ……!」
トレギアアイは磁石のように紗夜の目元に装着され、そこから蒼い闇が溢れ出した。
それはみるみるうちに彼女の肉体を変質させていく。華奢な少女の肉体を、トレギアの闇の体へ。
「紗夜さん……また……!」
しかも前回とは違い、今度は目の前で。
氷川紗夜。その姿が、トレギアのものとなってしまった。
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