見えてるから
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にジャンプ、回転しながら地面に着地した。
その間も、何度も回転し、千鳥を駆使。四方八方から彼女を狙う銃弾を的確に防御し、地面に撃ち落していった。
やがてそれがしばらく続き。
「そこっ!」
可奈美が振るった千鳥。それは、見えない虚空を斬り裂く。
ハルトには何もないように見えるそれ。
だが。
「……っ!?」
影の中から、フォーリナーの驚嘆の声が聞こえてくる。
「見つけた! 迅位斬!」
さらに続く、可奈美の技。
目にも止まらぬ可奈美の速度から繰り出されるそれは、彼女が狙った影の一か所を切り裂いた。それもまた、ただ単純にアスファルトを傷つけただけのようにも見える。
だが。
「ありえませんわ……ありえませんわ!」
やがて、暗がりを包む柔らかい月明りが、フォーリナーの姿を浮かび上がらせる。
「この暗がりで、このわたくしの銃弾ですのよ? 普通の人間ならば弾くことはおろか、見えることさえ出来ないはずなのに……! あなた、本当に人間ですの?」
「でも、見えてるから!」
可奈美は笑みを浮かべたまま、フォーリナーへ斬りかかる。
フォーリナーは銃で剣を受け止め、そのままぶつかり合う。
「面倒くさいですわ……」
フォーリナーは苛立ちを見せる。
やがて、彼女の背後に時計盤が現れた。
「刻々帝 一の弾」
一時を指す時計盤から銃へ、そして銃から、フォーリナーの体へ。
加速能力としてフォーリナーの体に宿ったそれは、可奈美の剣を避け、そのまま姿を消す。
「!?」
可奈美の体を何度も貫く銃弾。写シと呼ばれる刀使特有の能力がなければ、今頃彼女の体は蜂の巣になっていただろう。
可奈美は銃弾の内数発は凌いでいるが、体に走るダメージをゼロには出来ない。
「っ!」
可奈美はジャンプで避けた後、上空から一帯を見渡した。
だが、彼女の表情から、フォーリナーの姿をはっきりと捉えることはできていないようだった。
着地と同時に、無数の白い手が迫って来る。
「また来た!」
『フレイム シューティングストライク』
可奈美へ接触するよりも速く、ハルトの炎が発射された。白い手を押し流したそれは、可奈美が自身の懐から鈴祓いを取り出す時間を与えた。
「可奈美ちゃん……それ……」
目覚めの鈴祓い。
ほんの少し前、セイバーのサーヴァント、煉獄杏寿郎がその命をもってして可奈美に託した神具。
可奈美がそれを鳴らすごとに、鈴より緑の光が溢れ出す。粒子のように舞い上がっていくそれは、どんどん可奈美の周囲を浮遊し始めていく。
銃弾を一部は受け、一部は避け、また一部は弾きながらも、可奈美は鈴祓いを鳴ら
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