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その日、少し離れた駅で待ち合わせをしていた。私は、ジーンとトレーナーしかなかった。あのワンピースは嫌な想い出だったし、家には会社の人とキャンプってうそついていたから。それに、下着だって、派手な色のものは、あの男と別れた時、捨てたし。幼児用のものも・・。だから、薄いブルーの飾りも少ないおとなしいものしかなかった。増井さん、つまんないだろうなと思いながら・・。そんなことにこだわる人じゃぁないか・・。
「どこへ 向かうんですか? ウチこの駅までしかキップ買ってないんよ」
「あー 悪い なまじ、知らない方が良いかなって 奈良公園に行こうと思う 鹿を見にね」
「あっ そう 小学校の遠足以来かなー」
奈良駅に着いて、増井さんが朝ご飯まだだからって、近くの喫茶店に入って、その後、南大門の大仏さんに向かって歩き出した。私は、腕を後ろから組んでいったんだけど、増井さんは、少し恥ずかしったのか、ためらっていた。だけど、私は「嫌」って言ってそのまま組んで歩いた。
「ねぇ パートさんと仲良いみたいやねー 特に、陽子さんと 何かあるの― ウワサやでー」
「別に 特別なことなんかないよ パートさんと仲が悪くなると、最悪やからね 適当に、やっておかないとね やりにくくなるから・・」
「ふぅーん ウチとも そうなん?」
「ルリちゃんとは 違うよ 別や」
「いやや ルリちゃんて ルリって、ゆうてぇーなぁー」
「わかった ルリ じゃぁ僕のことも」
「そうね 築路って 呼びにくいな― うー チーさん で 良い?」
鹿におせんべいをやったりしながら、途中のお茶屋さんで休んだ。焼き団子とわらび餅を頼んで、出てきたときに、私は「やっぱり、隣がいい」と座ってる場所を移って、わらび餅にきな粉をまぶして、木のスプーンでチーさんの口元に「アーン」と持っていった。
パクリと食べてくれて・・「ウチにもー」と甘えると、今度はチーさんがウチの持っているスプーンで食べさせてくれた。私は、少し幸せ感じていた。
「ねぇ はたから見たら、ウチ等 どう見えるんやろね 仲の良い親子 危険な関係のカップル? カナ」
「年のはなれた恋人同士」ト、ポツンと言って、レシートを持って・・。私は、後を追いかけて、寄りかかるように腕を組んでいった。
そのまま春日大社を見て出てくると、もう3時を過ぎていた。チーさんが
「疲れた 少し、早いけど、もうホテル入れるかなー」と、そっちに向かって、猿沢の池のほとりにチェックインした。
そして、部屋に入ると、待ちわびたように私達は愛し合っていた。
「チーさん 下着って もっと派手なのほうが良い?」
「うーん そのほうが興奮するかなー 男なんだから」
私は、考えてい
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