金色の瞳
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ルビーの指輪を読み込ませた。
『フレイム シューティングストライク』
ウィザーソードガンの銃口に、炎の魔力が込められていく。
それはまさに、至近距離から銃口を向けてくるフォーリナーの銃を弾き上げ、彼女の胴体にゼロ距離で発射した。
そのままフォーリナーは動かないエスカレーターまで突き飛ばされる。エスカレーターの土台を砕いたフォーリナーの体は、そのまま動くことはなかった。
「や、やった……?」
気絶程度だろうが、これで時間が稼げる。それに、エスカレーターを壊したことで、二階の晶も降りてくるのには手こずるだろう。
ウィザードは紗夜の手を取った。
「今だ! 逃げるよ!」
「は、はい……!」
紗夜の手を引き、出口に急ごうとするウィザード。
だがその足元を、無数の銃弾が食い止めた。
「うっ!」
「全く。酷いですわ」
フォーリナーの言葉が、冷たくウィザードに突き刺さった。
右腕を失ったのにも関わらず、左手の銃をウィザードに向けていた。
「まずいっ!」
その斜線は、ウィザードよりも紗夜を狙っている。
ウィザードは急いで紗夜の前に割り込み、自らを盾にした。
「ぐっ!」
フォーリナーの銃弾が、よりにもよってウィザードの右肩に命中した。
またしても動かなくなる右腕。さらに続いた彼女の攻撃全てを全身に受け、ウィザードは紗夜を抱きかかえたまま地面に投げ出された。
そして。
「さあ、おいでませ! 刻々帝」
フォーリナーの声が暗がりに響く。
見れば、彼女の背後に巨大な時計盤が出現していた。フォーリナーの背丈の倍はある直径の時計盤。彼女の目と同様、ローマ数字が刻まれている時計盤は、四時を指している。
「四の弾」
フォーリナーが唱える、その名前。
四時の文字盤より、赤黒いエネルギーが溢れ出し、その銃に注がれていく。
「きひっ!」
にやりと笑みを浮かべたままのフォーリナーは、そのまま銃を自らのこめかみに当て、躊躇いなく引き金を引いた。
発砲音。
すると、フォーリナーの体に新たな影響が齎される。ウィザードが与えたダメージが、逆再生のように治癒されていくのだ。それは、失った右腕さえも例外ではない。紗夜の前で打ち捨てられていた右腕は跳ね上がり、落ちた軌道をなぞるようにフォーリナーの体へ戻っていく。
グチャッと耳を覆いたくなるような音とともに、腕が体にくっついた。
「ひっ……」
そのグロテスクな音に、背後の紗夜が悲鳴を上げた。
「……嘘でしょ? 何て回復能力……!」
「きひひっ! 違いますよ。時間を戻しただけですわ。一の弾」
次に時計が指すのは、一時。
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