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「ルリちゃん 最近 増井さんばっか 眼で追っているね なんかあったの」と、向かいに座っている事務所の山田さんが聞いてきた。
2階が事務所になっていて、ガラス窓を通して1階の製造所が見えるようになっているのだ。だから、製造所に行っている増井さんのことが、気になって、知らずに見ていてしまっていたのだ。
「そうですかー 上司だから、何してるかなって・・ なんでもないですよー」
「そう 増井さんのことが気になっているんじゃぁないのー? ダメよー あの人のことは・・競争 激しいよ」
「なんですか? その競争って」
「若いパートさん 何人かいるでしょ ウチはローテーションで平日のお休みがあるでしょ だから そのお休みにね みんなお相手を探しているのよ 遊び相手 増井さんなんて、みんなが狙ってるのよ ほどほどに、大人だから 危なくないでしょ だから、あんまり、増井さんと仲良くなると、みんなから嫉妬されるよ」
「えー そうなんですか」と、上から見ていると、確かに、増井さんが近寄ると何人かは、はしゃいだように愛想を振りまいているのがわかった。それも若い女の人。増井さんも、デレデレして笑っているのがマスク越しでもわかった。
私は、それを見ているとムカついてきているのが自分でもわかったのだ。なによー あの人 誰にでも、デレデレと・・
そんな時、事務所に戻ってきた増井さんが
「ルリちゃん このレシピで試作サンプル 作ってくれないか プリフライの唐揚」
私は、気分がすぐれなかったんだけど、返事もしないまま、試作をやるために製造所に向かっていった。そして、調合とかしている時に、増井さんが側に来て
「大丈夫かなー ひとりで出来るかなー」って声を掛けて来た。私は、その時カチンときて、 バカにしないでよー ウチだって これっくらい出来るわよー と思ってしまって
「出来ます 心配だったら ウチなんかに頼まなきゃーいいのにー」と、イラっとして言ってしまった。そしたら、増井さんは何にも言わないで行ってしまったのだ。
うー なんてことを・・ 後悔していた。
そして、私が帰る時、更衣室から出て来た私を待っていたのように
「ルリと過ごしたい 泊まりで 考えてくれ」と、一言
私は、その瞬間、頭の中は甘ーい時間を想像してしまっていた。それまでのイライラも忘れてしまっていた。なんて、軽いんだろうとは思ったが・・もう、止まらなかったのだ。この想い。
増井さんは、毎朝、社員食堂でコーヒーを飲んで始業時間まで過ごしているのを知っていたので、次の日、私は、食堂へ・・私を見るなり、部屋の隅に連れていかれて
「どう 考えた?」
「うん 来週のお休みの日」と、返事したら、抱きしめられて、チュッと
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