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レーヴァティン
第二百四十四話 青森入りその十四

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「質をよくしてもらいます」
「そうするな」
「幕府は」
「その通りだな、では蝦夷でもな」
「そうしましょう、それと函館の五稜郭築城では」
「民を用いてな」
 そうしてというのだ。
「築く、そこでアイヌの者達もな」
「用いますね」
「普請は民には苦労だ」 
 だからだというのだ、英雄はこれまでの幕府の普請でこうしたこともわかっているのだ。もっと言えば旗揚げ前に二つの浮島を巡っていてわかっていた。
「だからな」
「その時はですね」
「食いものは美味いものをだ」
 それも栄養のあるだ。
「三食たらふくだ」
「幕府が出しますね」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「給与もな」
「出すでござるな」
 智が応えた。
「それも多く」
「そして年貢や税はな」
「免じるでござるな」
「普請をした年はな」
「これまで通りに」
「年貢や税は低過ぎるとかえって国が動かなくなり」
 そしてというのだ。
「塩や鉄を売る際の値段も考えてだ」
「そして普請もでござるな」
「そちらも考える、これは完全に民への負担になるからな」
 それ故にというのだ。
「その際はな」
「民には奮発し」
「年貢や税もな」
「免除するでござるな」
「さもないと暮らしていけなくなる」
 民達がというのだ。
「普請は民にとって苦労以外の何でもないからな」
「始皇帝もそうでござったな」
「実は言われる程過酷ではなかったともいうが」
 史記等で書かれていることと違ってだ、史記こそが最初に始皇帝を暴君とした書であるという見方も出来るだろうか。
「その統治自体がな」
「そうとも言われているでござるな」
「だが長城に阿房宮に驪山陵にとな」
「普請が多かったのは事実でござる」
「民の負担になっていたことは事実だ」
「それだけ普請をしていれば」
 始皇帝の趣味に建築があったことは否定出来ないだろう、実際に建築をそれだけしていたことは事実だからだ。
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