傷跡
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になった。だったら! あんたもあんたも! 日菜も全員! あたしとおんなじ顔にしてやんよ!」
「!」
傷ばかり見ていて晶が手にしていた凶器を見逃していた。
ハルトは彼女が振り下ろしたナイフを受け止め、そのまま晶を棚へ投げ飛ばした。
棚ごと倒れた晶が悲鳴を上げ、陳列されていた品々が音を立てて晶の体に降り注ぐ。
「紗夜さん! 逃げるよ!」
「でも、蒼井さんが……!」
「やっぱりあの子は危険すぎる! 俺が今度連れ戻すから、今は退いて!」
「でも!」
「あきらっきー……」
驚くほど低い晶の声。
起き上がった晶は、ギロリとハルトを睨んでいた。
「しっかりフェイストゥフェイスは初めてだよな? ウィザード……」
「君が……アヴェンジャーの……あの子のマスターだよね」
「てめえのせいで、あたしはこんな惨めなことになった。だから……」
晶は右手を掲げる。
赤い夕陽の光の中。それは見えた。
彼女の手に刻まれる、黒い紋様が。
「令呪っ!?」
「え? 令呪って……」
「やれ……フォーリナー!」
フォーリナー。
その単語の意味が何一つ理解できない。
晶の背後より聞こえてくるのは、銃声。
他の何よりも、紗夜の保護が優先。ハルトは紗夜を押し飛ばし、凶行から彼女を救う。そのまま通過した銃弾は、バックヤードの入り口を粉々に破壊した。
「蒼井晶……もしかして、その令呪……!」
だが、それ以上の問答は許されない。
すぐ背後の暗闇から、その気配を感じたハルト。反射的に指輪を使い、魔法陣を出現させた。
『コネクト プリーズ』
銀の銃剣、ウィザーソードガン。剣の状態にしたそれを盾にし、接近してきた敵の気配、その銃での横殴りを防ぐ。
そして、夕陽によって現れる敵の姿。
まずハルトの目を引くのは、そのオッドアイだった。右目はまだ彼女の自然さを感じるものではあるが、特徴的なのはその左目。ローマ数字が刻まれた時計が、彼女の瞳となっているようだった。左右非対称のツインテールと、露出が多い服装。ゴシックな黒とオレンジのドレスが、白い肌をより一層際立たせており、このような廃墟ではなく、舞踏会こそ相応しいように見えた。
「サーヴァント!?」
「おやおや? 怯えていますの?」
その声は、あまりにも甘美。
だが、その性質は非情。彼女のガンカタには、一切の手心などない。
「きひひひひっ!」
肩を震わせ、ハルトに顔を近づける女性。そこから、さらなる攻撃が加わった。
ハルトはウィザーソードガンと格闘技を駆使して、彼女の攻撃を食い止める。だが、その技量は敵の方が上。やがて彼女の二段蹴りにがハルトのウィザーソードガンを蹴り飛ばした。
「くっ!」
『サ
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