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俺様勇者と武闘家日記
第2部
エジンベア
ノルドの過去
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も聞いてないよ。そもそも師匠が呪いを受けてたことすら知らなかったし」
「と言うことは、他の奴らにも話してないんだろう。ならカザーブに行っても無駄だろうな」
と、何やらぶつぶつ言いながら一人納得するユウリ。もしかして、イエローオーブを探しにカザーブに行くつもりだったのだろうか?
「ユウリ。多分イエローオーブはカザーブにはないと思うよ。だって師匠がなくなった後、師匠の家に行って遺品整理したとき、オーブみたいなものはなかったもん」
 お墓を掘り起こした時も、あったのは鉄の爪だけだったし、お母さんもオーブのことは知らないようだった。
「お前と、お前の母親以外にそいつと親しい村の奴らはいなかったのか?」
「私と同じ武術の修行を受けた人も何人かいたけど、特別仲がいいって人はいなかったな」
 話を聞き終えると、ユウリは難しい顔をしながらしばらく黙り込んだ。そして、何かを決意したように口を開いた。
「……とりあえず、イエローオーブのことは後回しだ。最後の鍵の方を優先する」
 がくっ。もったいつけて決めた割には、当初と同じ予定のままじゃない。
「……何か言いたいことがあるようだな」
「いやいやないから!! ユウリの言う通り、最後の鍵を手に入れる方が大事だよね、うん!!」
 私はユウリの冷ややかな視線に目を背けると、新たな地に向かって歩き出したのだった。

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