第三章
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「前に」
「それで旅行にはなんだ」
「はい、行かないで」
屈託のない明るい顔での返事だった。
「一週間ずっとゲームでした」
「そうだったんだ」
「いい休みでした、やっぱりゲームですよね」
グリーンはこうも言った。
「僕それがあったら幸せです」
「そういえばグリーンさんゲーム好きだね」
「大好きです、ですからゲームのキャラの役貰えた時も嬉しいです」
アニメの時もそうでというのだ。
「ゲームって本当にいいですね」
「そうなんだ、この話ブログとかツイッターで書いていいかな」
「ええ、どうぞ」
何でもないという返事だった、そして原作者がこの話を紹介すると。
他の事務所でも業界でもファンの間でもネタになった、特にファン達はネットの場でこのことを話した。
「もう手前息するな」
「その域だな」
「ずっとゲームしてろ」
「というか何処に行くんだよ」
「地方行った時も食うか旅館でゲームらしいしな」
「海とか山本当に行かないって言うが」
「凄いな」
ある意味においてというのだ。
「こんな面白い人だったのかよ」
「何か他にも色々ありそうだな」
「色々聞きたいな」
「そうだな」
実際にそうした話が次々に出てだった。
グリーンは演技力や性格だけでなくキャラクターでも評判になった、そして業界きっての面白声優とさえ言われる様になったが。
本にはそれがどうしてかわからずに友人達と久し振りに飲んだ時に言った。
「何か僕おかしいかな、最近面白声優としても話題なんだ」
「いや、それはな」
「俺達も話聞いてるけれどな」
「当然だろ」
「海は津波あるとか山は雪崩あるとか」
「そう言ったらな」
「皆そう言うぞ」
友人達は彼に口々に言った。
「それはな」
「俺達もこの話聞いて笑ったぞ」
「何なんだってな」
「それで旅行行かずゲーム三昧だったってな」
「物凄いネタだぞ」
「そうかな、だって本当にだよ」
グリーンは肴のイカゲソを焼いたものを食べつつ述べた。
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