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レーヴァティン
第二百四十四話 青森入りその一

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                第二百四十四話  青森入り
 幕府全体で蝦夷攻めの準備に入った、それはさながら巨獣が動く様であり人もものも蝦夷に向けて大きく動いた。
 それは当然大坂でも同じであり多くのものがだった。
 主に船から蝦夷に向かっていた、英雄はその様子を仲間達と共に大坂城の黒と金の天守閣から見ていた。
 その最上階から見てだ、彼は仲間達に話した。
「やはり船だな」
「ものを多く一度に運ぶにはな」
 幸正が応えた。
「これは人もだが」
「陸から歩いたり車や馬で進ませるよりもな」
「船で水からだ」
「進ませた方がいいな」
「昼も夜も進めるしだ」
 幸正はさらに話した。
「そしてだ」
「多くのものを運べる」
「そうだ、特に風や潮に乗ればな」
 その時はというと。
「より速く進める」
「だからだな」
「陸よりは水だ」
「移動や輸送にはそちらがいい」
「しかも歩くと疲れるが」
 そうなるがというのだ。
「船の中にいるとな」
「体力を消耗しない」
「そのこともいい、歩けばそれだけで体力を使う」
「その通りだ、進軍もだ」
 英雄はこれまでの戦での経験から話した。
「あれだけで疲れる」
「そうだな」
「進軍中は武具を着ていないがな」
 あくまで戦の場だけで着るものだ、その間も着ていると重くそれで歩くと尚更疲れてしまうという問題があるのだ。
「しかしだ」
「歩くだけでだ」
「一日何十キロもだからな」
「それだけ毎日歩くとだ」
「やはり体力を消耗する」
「それも大きい」 
 遅いだけでなくというのだ。
「しかも銭もかかる」
「軍を動かすにもお金が必要ですからね」
 紅葉が言ってきた。
「軍も歩くだけでなく」
「その間飯も食うしな」
「野営の陣も築きます」
「陣を築くにも柵等が必要だ」
「木がなくては柵も出来ません」
「その木を調達するだけでもだ」
 まさにそれだけでもだ。
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