監視カメラ包囲網
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認取れないですからね」
「ああ……アヴェンジャーの最期は、俺が立ち会った」
ハルトは声を落とした。
件の少女、蒼井晶。
彼女がサーヴァントとして従えていたのは、暗殺を得意とする少女、スイムスイムだった。壁や床に潜り、場所を選ばずに殺意の刃を向けてくる少女。だが彼女は、聖杯戦争の舞台である見滝原、その境界線を少し超えただけで、ルールに沿って命を落とした。
鈴音はリゲルと顔を合わせ、互いに相槌を打った。
「トレギアもどこにいるか分かりませんし。とりあえず、探してみましょうか」
鈴音はそう言って、廊下を戻っていく。私室のドアを開けた彼女は、ハルトたちを手招きした。
「ちょっとマスター! まさか、ウィザードたちを部屋に入れるつもり!?」
リゲルは血相を変えて怒鳴った。
当たり前のように頷いた鈴音に、リゲルは白目を剥いて傾いた。
「ちょ、リゲル!?」
「おっと……」
気を失いかけたリゲルを、可奈美が受け止めた。
「だ、大丈夫? リゲルさん」
「へ、平気よ……依頼とはいえ、敵であるウィザードやあなたに、私達の心臓部である情報収集の要を曝け出すと思うだけで頭が痛いのよ」
「あはは……」
ハルトと可奈美は互いに顔を見合わせてほほ笑んだ。
そのまま気絶しかけたリゲルに肩を貸しながら、可奈美と紗夜に続いて、ハルトは部屋に入っていった。
鈴音の私室。そこに足を踏み入れた途端、そこは別世界だった。
「「寒っ?」」
入った瞬間、ハルトと可奈美は同時に悲鳴を上げた。
三月初頭。
まだ寒さが堪える世の中。家に入るメリットとして暖かさがあげられるものの、部屋に入ったら外よりもさらに強い寒さに襲われた。
「何これ何これ!? めっちゃ寒いんだけど!」
「問題ありません。むしろ、これくらいの冷却は必要ですよ」
鈴音はそう言って、パソコンを操作し始めた。
株か何かの画面が切り替わり、やがて町のあちらこちらの映像が映し出されていく。
「あれ……何やってるの?」
その様子を見て、ハルトはリゲルに尋ねた。
リゲルは、鈴音とアイコンタクトを取る。彼女から許可を得たということかと思うと、リゲルは話し始めた。
「マスターの情報収集の主戦力は、ここの監視カメラのハッキングよ。いわば、見滝原全体がマスターの目ね」
「なにそれ怖っ!」
ハルトは腕を抱き、震えあがる。
「そりゃ情報網すごいはずだよ。この町での活動全部筒抜けってことでしょ?」
「さすがに私も取捨選択はしますよ。たまに男女の修羅場とか見られて面白いですけど」
「うわあ」
「いろいろと法令違反な気もしますけど……」
紗夜が頭を抑えた。
ココアから聞いた話では、彼女
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