第二章
[8]前話
「先輩お家に送ってから」
「タクシーで帰るの」
「そうします」
「じゃあお願いするわね」
リンは遠山の言葉に頷いた、それで彼に家まで送ってもらった。家に帰るとすぐにスーツもタイトスカートも脱いでだった。
上下共白の下着になって寝た、翌朝にシャワーを浴びてすっきりしたが。
同居している母にこう言われた。
「会社の人にもたれかかって支えられてだったわよ」
「えっ、そうだったの」
「ええ、迷惑はかけたら駄目よ」
朝食の時にこう言われた、幸い父は出張中でやはり同居している兄は夜勤明けで寝ていて彼等には知られなかった。
そして母は彼女にこうも言った。
「いい子じゃない」
「頑張り屋さんで素直なの」
リンは会社のことから話した、もう膝までのタイトスカートとスーツを着て何時でも出勤出来る恰好だ。
「残業にも嫌な顔しないし」
「そういうのじゃなくて男の人としてよ」
「男の人?」
「そうよ、女の人を送ってしかも支えてくれるから」
だからだというのだ。
「ああした人そういないわよ」
「そうなの」
「だから大事にしてあげなさい」
「大事なの」
「ああした人こそね」
こう言われてだった。
リンは遠山を意識する様になり。
仕事でよく一緒になることもあり食事も共にする様になった、夜もそうなっていってだった。
彼と交際する様になって三十になった時に。
「結婚ね」
「あんたもいよいよ」
「そうするのね」
「ええ、仕事が終わって一緒に飲んで」
それがはじまりでとだ、リンは友人達に話した。
「それでよ」
「親しくなっていって」
「それで交際までして」
「それでよね」
「今度ね。縁がないと思ったら」
それがというのだ。
「ふとしたことからだったわ」
「よかったわね」
「縁あったじゃない」
「そうだったわね」
「そうね、今じゃ皆結婚して最後は私だけだったけれど」
リンは微笑んでこのことも話した。
「それでもね」
「ええ、これからはね」
「リンも結婚してね」
「幸せになるわね」
「キスもまだだったのに酔ってもたれかかって支えてもらって」
遠山とのそうなったことも話した。
「そこからなんてね」
「縁ってわからないわね」
「会社の後輩君とそうなって」
「結婚なんてね」
「ええ、世の中わからないわ」
笑顔で言うのだった、そして結婚式に友人達を招待した。そのうえでウェディングドレス姿で彼との幸せな姿を見せるのだった。
飲んだことがきっかけで 完
2022・3・29
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ