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俺様勇者と武闘家日記
第2部
エジンベア
戦いのあとで
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な様子を一足早く感じ取ったマギーは、慌ててユウリに向き直る。
「すみません! 勇者様、それに他の皆さんも、ありがとうございました! 魔物と戦っているときの皆さん、とてもかっこよかったですよ!」
「ふふ。かっこいいだなんて、照れるワ♪ ね? ユウリくん」
「俺に話を振るな」
 ユウリにウインクするアルヴィスに対し、わざと視線をそらすユウリ。
 すると、唐突にマギーがカウンターにある台帳と羽ペンを手にした。
「そうだ、もしもう一度勇者様に会えたらお話ししようと思ったんですが……。よければ、私が今度書く小説のモデルになってもらえませんか?」
「は? モデル?」
 突拍子もないことを言われ、間の抜けた声を出すユウリ。
「マギー、小説を書くって……。いったいどういう心境の変化?」
 勇者物語は好きだが、小説を書きたいなんて一言も言ってなかったはず。しかもユウリをモデルにするってことは、マギーは自分で勇者物語を書こうとしているのだろうか?
「あのとき魔物を倒している勇者様を見て、創作意欲がわいたんです! ミオさんに助けられた後、お城の中から外の様子を見てたんですが、ちょうど勇者様が戦っていたんです。その姿がまるで本当に物語から出てきたかのように凛々しくて、そんな格好いい勇者様の勇姿を私の手で後世に残したいと感じたんです。なので是非主人公の人物像は勇者様を参考にさせて頂きたいと思って!」
 うっとりと蕩けそうな表情を見せたと思いきや、目を輝かせて力説するマギー。これにはユウリもタジタジかと思いきや、
「俺を参考にするだと? だったら俺が勇者になったきっかけから話さなければならないな」
 あ、なんか変なスイッチ入っちゃった。こういう時のユウリは、いつもの三倍くらい生き生きとしているのだ。
「そもそも俺が魔王という存在を知ったのは、3歳の時、アリアハンの王宮騎士であった祖父がレーベの村近くの森で遭遇したおおありくいを退治したことがきっかけでな……」
「あああ!! 勇者様の幼少期が聞けるなんて、なんて贅沢なんですか!? 早くメモをとらなきゃ!」
 興奮が止まらないマギーは、持っていた羽ペンを凄まじい早さで走らせる。
「マギー!? その感情は憧れなんだよね!? 決して別の感情ではないよね!?」
 ユウリに懸想しているのかと思い、慌ててマギーに詰め寄るライザーさん。
 そのとき、私は本能で悟った。この二人を合わせたら、何時間でも話し込むだろうと。
「あああ、あのさユウリ! 私、お腹が空いて今にも倒れそうだから今日はここでお暇しよう? ごめんマギー、私たちここで失礼するね!! ユウリのことは好きに書いていいから!!」
「おいこら、ボケ女! 話はまだ始まったばかりだろうが!!」
 文句を言うユウリを、半ば強引に店から押し出す私。ビビアンも何
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