第2部
エジンベア
戦いのあとで
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たこと、心からお詫び申し上げます。
婚約者の件につきましては、今のわたくしではユウリ様に相応しくないと思い、一度身を引くことにしました。
ですが、ユウリ様を想う気持ちは変わりません。ユウリ様に相応しい女性になるよう、これからは努力していきたいと思います。
追伸 ミオさんにも大変ご迷惑をおかけしました。また、魔物から救っていただいて、本当にありがとうございました。
コンテストの最終審査も、自分が優勝するために他の出場者を貶めるような行為をしてしまい、今ではなんて愚かな行為だったのかと、深く反省しています。本当にごめんなさい。
わたくしは今外に出られず、直接会うことができないため、このような形で謝罪することになってしまいました。
いつかまた再会できたら、改めてご挨拶できればよいかと思います。
それでは、用件のみで恐縮ですが、失礼します。 ヘレン・アナベル・ド・エジンベア』
「うーん……。なんか実際の王女様と文面のギャップがありすぎない?」
顔を突き合わせて一緒に読んでいたビビアンが、難しい顔で呟いた。
「え、そう? きっとコンテストの件で考えが変わったんだと思うよ?」
それにユウリのことで誤解されやすそうだが、時々難しい言葉を使っていたりしてたし、王女様なだけあって、おそらく色んな勉強をしているのだろう。
「まあ、本人が書いたかどうかは知らんが、俺との婚約を諦めてくれるなら有難い」
確かにユウリにとっては、そこが一番大事な問題だよね。
けれど、こうして直接会いに来ることも出来ないなんて、なんだか少しかわいそうな気がする。そんな私の心情を察したのか、ビビアンが私の肩をポンと叩いた。
「ほら、そんなに気に病まないの。王女様も、この件で反省すると思うし、きっと大丈夫よ」
「……うん、そうだね」
「そうそう、もうこれ以上はアタシたちがわざわざ介入することじゃないしね。とりあえず、お腹もすいたことだし、そろそろ帰りましょ?」
「あーっ、そういえば、お昼まだだったのよね!? せっかくアルヴィスが作ってくれたお弁当、駄目になる前に食べないと!!」
ビビアンが危惧している通り、すでにお昼どころか、日が傾きかけている。私も今までごたごたしてたせいか、お腹がすいたことすら忘れていた。そしてふと、マギーの顔が頭を過る。彼女はあれから大丈夫だったのだろうか。
「ごめん、その前に、マギーのところに行きたいんだ。なんなら私一人だけ行くから、皆は先にご飯食べててよ」
「あっ、それなら私も行くわよ!!」
「そう言うことなら仕方ないわネ。……ユウリくんはどうする?」
「……行かなかったら、お前の作った弁当が食べられないんだろ?」
「そうね、もちろん」
「なら選択肢は一つしかないだろ」
ユウリは横でにやにやしている
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