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戦禍を逃れて
第二章

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                戦禍を逃れて
 ロシアがウクライナに攻め込んだ、ウクライナ軍も市民達も善戦しロシア軍と果敢に戦い進撃を食い止めんとしている。
 だが戦争である、戦禍が及びそれを避ける為に難民が生じるのは当然のことであった。
 その状況を見てウクライナの隣国ポーランドの人道支援団体のスタッフ達はウクライナとの国境に向かいながら沈んだ顔になっていた。
「戦争が起こって迷惑するのは誰か」
「いつも弱い人達ですよね」
「そうだよ、そうした人達がな」
 グレゴリオ=コジュシェンコ茶色の髪と髪の毛と同じ色の濃い髭で顔の下半分を覆っている大柄な彼が若い同僚であるニコライ=シャーカ金髪碧眼で自分より幾分背の高い痩せた彼に話した。二人は今トラックで国境に向かっている。
「いつもだよ」
「迷惑しますね」
「命の危険があって」
「財産も何もかも失って」
「それで逃げるしかないんだよ」
「そういうことですね」
「それで難民になる人達をどうするか」
 このことがというのだ。
「問題だよ」
「そうですよね」
「受け入れるのが人道でな」
「僕達もそうした活動をしていますけれど」
「受け入れる方にも準備や受け入れられる限度があるからな」
「難しい問題ですね」
「簡単な問題じゃないんだよ」
 こうシャーカに言うのだった。
「本当にな」
「そうですよね」
「シリアの時もそうだっただろ」
「あの時は即座に無条件で受け入れて」
「何かと問題が起こったな」
「そうでしたね」
「人道で片付けるにはな」
 コジュシェンコはトラックを運転しつつ助手席のシャーカに話した。
「難しい、けれどな」
「それでもですよね」
「俺達はそうした人達を助けるのが義務だ」
「だからこそ」
「やるぞ」
「僕達のやれることをしましょう」  
 こう話してだった。
 二人そして他のスタッフ達もまずは国境に向かった、そのうえで難民となった人達を保護していっているが。
 ここでだ、シャーカは難民達が連れている犬や猫他の色々なペット達を見て言った。
「そうか、避難するなら」
「家族全員だからな」
 コジュシェンコは苦い顔で応えた。
「だからな」
「ペットもですね」
「避難してきたんだ」
「そうですね」
「ここは知恵を出さないとな」
 コジュシェシコは真剣な顔になって述べた。
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