暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/WizarDragonknight
閲覧注意! 食事中は気分悪くなるかも
[5/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
!」
「ええ、是非!」
「ほら、鈴音ちゃんも」
「わたしは別に……」
「いいから! リゲルも」
「……衛藤可奈美……!」

 リゲルは、可奈美の肩をがっしりと使う。一瞬、ハルトは可奈美が怒られるかと思った。
 だが予想とは一転、リゲルは顔を輝かせていた。

「ありがとう……! そうよ! そうよ? 私が何回言っても聞かないの! この部屋、少なくとも私が来てから一回も掃除したことないのよ! さあ! マスター! いい機会よ! この際、色々と掃除してしまいましょう!」
「リゲル……?」

 だが、何かが切れたリゲルはもう止まらない。
 鈴音を抱え上げ、あらゆる電子機器から引き離し、窓際に立たせる。

「マスター! あなたも掃除よ!」

 リゲルは鈴音の手にモップを握らせる。
 鈴音は露骨な嫌な顔を浮かべるが、リゲルは聞かない。

「これまで私は、何度もマスターに言ってきた! その度に断られてきたけど、その都度シミュレーションしてきたのよ!」
「ムーの解析もできた能力の何て無駄遣い……」
「その努力が、ついに報われるときが来たのよ!」
「リゲル、アンタそれでいいの!? 英霊なんだよね!?」

 ハルトのツッコミにも関わらず、リゲルはすでに戦闘(掃除)態勢に入っている。頭巾を被り、(はた)きを掲げた。

「さあ、ウィザード! 衛藤可奈美! 氷川紗夜! 状況開始!」

 もうリゲルを止めることなどできない。
 ハルトは「了解した」と、雑巾がけを開始した。
 可奈美はその素早さを活かし(そのために、常に千鳥を左手に持つ)部屋の隅済みへごみを片付けていく。

「……可奈美ちゃん」
「何?」
「そのモチベーションを普段の生活とか自分の部屋とかにも注いでくれるといいのに……」
「うっ……」

 ハルトの言葉に、可奈美はばつの悪い顔を浮かべた。

「だ、だって……あんまり、頑張ろうって続かないんだもん!」
「剣だったらずっとやっていられるのに?」
「当たり前だよ! だって、剣術はとっても楽しいんだよ! 相手と打ち合うと、その力とか力量とか……」
「そもそも家事って、君の剣術以上に才能とか必要ないものでしょ? やらない人って、単純に面倒だからやってないだけだよ」
「うっ! ハルトさん、その言葉は私がこれまで受けてきたあらゆる剣術よりも刺さるよ!」
「刺さるように言ってるからね。……聞いてる? ガンナーのマスターさん」
「聞こえてません」

 右手にバケツ。左手にモップ。
 いざこれから掃除以外のことをするのに不向きな姿だというのに、彼女は掃除以外をしたいと顔が訴えている。
 鈴音を横目で見ながら、リゲルは窓を拭く紗夜へ語り掛けた。

「感謝するわ。氷川紗夜。ウィザードと衛藤
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ