第二章
[8]前話
「見ての通りな」
「そうなんだな」
「そしてそんなふわりと一緒にいてな」
そうしてとも話した。
「俺達もだ」
「よくなっていっているか」
「そうでありたいな」
「ありたいか」
「ああ」
息子に確かな声で返した。
「努力していってな」
「そうしていってか」
「なっているつもりでもな」
それでもというのだ。
「なっていないこともあるだろ」
「そう言われるとな」
息子も否定出来なかった。
「あるな」
「だからこう言うんだ」
「そうなんだな」
「けれどよくなっていきたいな」
「それはな、ふわりだってそうなってるしな」
「俺達だってだろ」
「ああ」
今度は洋介が答えた。
「それはな」
「そう思うからな」
「だからか」
「努力していってな」
「よくなるんだな」
「そうしていこうな」
「そうね」
母も頷いてきた。
「ふわりもよくなっていってるしね」
「俺達もか」
「努力してね」
息子に応えて話した。
「そうしていってよ」
「よくなっていくことか」
「ふわりと一緒にね」
「そうしないと駄目か」
「私達もね」
「一家全員がか」
「ふわりはどんどんよくなっていくんだからな」
父は今度は優しい目で述べた。
「ふわりの家族の俺達もな」
「努力してよくなって」
「ふわりに相応しい家族にならないとな」
「そうよね、私達もね」
夫の言葉に頷いた、そしてだった。
ふわりの傍にある彼女そっくりの外見と大きさのぬいぐるみにあるボタンを押した、するとぬいぐるみから声が出た。
「私ふわりパパママお兄ちゃん遊ぼうね」
「一緒に楽しいことしようね」
「ずっと仲良くしてね」
「ワンワン」
ふわりはそのぬいぐるみを見て尻尾を振って嬉しそうに鳴いた、一家でそんな彼女を見てまた笑顔になった。
どんどんよくなる犬 完
２０２２・３・２５
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