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聞く声と聞かない声
第一章

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                聞く声と聞かない声
 かつてふわりの飼い主だった百田家の本家であり今は禁治産者となった彼等の後見人となっている彼のところに連絡が来た、その人はというと。
「あの連中のか」
「ええ、ご近所さんだけれど」
 妻が彼に話した。
「お願いがあるらしいの」
「何なんだ?」
「何でも二人のお家の壁に動物保護とかのポスター貼りたいらしいけれど」
「ああ、それにも許可がいるからな」 
 本家の彼は妻から聞いた言葉を理解して述べた。
「だからだな」
「あの二人もう禁治産者でしょ」
「法的に責任能力ないからな」
「そうなってるからね」
「後見人にわしがなっているからな」
「ここは後見人の人からの許可が必要だから」
 それでというのだ。
「あなたにお話が来たのよ」
「貼っていいかどうかか」
「二人のお家の壁にね」
「いやがらせだな」
 彼はこのことを察した。
「あいつ等への」
「ふわりを捨てたからね」
「そのことでご近所でも評判が悪いらしいな」
「それもかなりね」
「しかも育児放棄までしたしな」
「上の娘をね」
「それでああなってるし」 
 禁治産者になっていてというのだ。
「ご近所にもその行いが知れ渡って」
「そうしてか」
「ええ」
 妻は夫に話した。
「それでなのよ」
「ご近所でも嫌われていてか」
「今無視されていて」
「そうしたいやがらせも受けているんだな」
「そうみたいよ、それでね」
「そうした問題を訴えてだな」
「あの二人へのいやがらせも兼ねてよ」
 その為にというのだ。
「ポスター貼るらしいわ」
「成程な」
「それでどうするの?」
 妻は夫に判断を尋ねた。
「それで」
「どんどんやってくれと言ってくれ」
 彼は何でもないという声で答えた。
「これからそうした話は無条件でだ」
「いいのね」
「捨て犬捨て猫の問題を訴えるポスターどころか次号虐待とか飼育放棄もな」
 こうした問題もというのだ。
「連中がやったことを訴えるのもな」
「いいのね」
「ああ、どんどんな」
「無条件でいいのね」
「ああした連中にはとことん報いが必要だ」
 怒った目での言葉だった。
「だからな」
「それでなのね」
「いいさ、どんどん貼ってもらえ」
「そうお伝えするわね」
「ああ、これからそんな話きたら一も二もなく頷いてくれ」
 こう妻に言った、それでだった。
 後見人からの許可が得たので百田家の近所の動物保護や児童虐待に携わっているボランティア団体百田家の夫婦の様な行いを最も嫌い怒る者達がだった。
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