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レーヴァティン
第二百四十三話 蝦夷攻めその九

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「何とでもです」
「言えるものだな」
「それが言い掛かりというもので」
 それでというのだ。
「まことにです」
「何とでも言えるな」
「そうです、一見もっともに聞こえても」 
 それでもというのだ。
「言い掛かりは中身がなくあれこれ屁理屈をです」
「ごねているな」
「そうしたものです、またこの世界でもあれこれとです」
「この世界にいるのも人間だ」
「人間の悪い面です」
 そのうちの一つだというのだ。
「人間は言い掛かりも言えます」
「どの世界においてもな」
「ですからあれこれと言う輩はです」
「必ず存在するな」
「はい」
「本当に何とでも言えるわよ」
 奈央も言ってきた。
「言おうと思えばね」
「言い掛かりの理由になるな」
「ヤクザ屋さんがそうでしょ」
「ヤクザの言い掛かりだな」
「それはね」
「何とでも言えるな」
「それでそれにつく人もよ」
 その言い掛かりにというのだ。
「ついてよ」
「攻撃してくるな」
「幕府は私達は一枚岩でも」
「他の者がどうかだな」
「派閥があるわ」
 幕臣達の間にというのだ。
「やっぱりね」
「そしてある派が建設を進めるとか」
「別の派はね」
 そちらはというのだ。
「敵に反対する為にね」
「そうだな」
「騒ぐわよ」
「政の常だな」
「政争があって」
 それぞれの派閥同士のだ。
「そしてそれが為によ」
「相手の政策を批判するな」
「そこにはね」 
 奈央はさらに言った。
「国益とかはなくて」
「党益だな」
「それが念頭にあってよ」 
 それでというのだ。
「相手を攻撃するのよ」
「そうだな」
「残念だけれど何処でもあるわ」
 こうしたことはというのだ。
「本当にね」
「起きた世界でもこの世界でもな」
「人間の社会ではね」
「敵を攻撃する為にはな」
「公のことは時として忘れられるわ」
「それが国の為になる政策でもな」
「政敵を攻撃する為なら」
 まさにその為にというのだ、奈央は人間の社会に存在しているその業とも言えることを英雄に話していった。
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