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レーヴァティン
第二百四十三話 蝦夷攻めその三

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「そのことも調べているな」
「既に」
 謙二は微笑んで答えた、その微笑みこそが自信の表れだった。自信があるからこその微笑みということだ。
「土地まで、です」
「調べているな」
「獣や魔物のことも」
「蝦夷のだな」
「アイヌのどの部族が何処にいるかも」
 このこともというのだ。
「調べてです」
「わかっているな」
「何もかも。当然数も部族の状況も」
「よし、では兵を進めつつだ」
 それと共にというのだ。
「幕府に従いそうな部族はな」
「降る様に言っていきますね」
「そうしていく」 
 まさにというのだ。
「そして戦わずにな」
「降らせていきますね」
「そして蝦夷を掌握していき」
「あの地もですね」
「治めていく」
 その様にするともだ、英雄は話した。
「そうしてだ」
「幕府の拠点にしますか」
「アイヌはそのままだが」 
 部族の領地や文化はそのままでというのだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「街や港をもうけてだ」
「開拓もですね」
「進める、そしてだ」
「豊かにしますね」
「そうもしていく」
 これからの政の話もした。
「これからはな」
「そのこともですね」
「頭に入れつつな」
「蝦夷を掌握する」
「その全土をな、その北の島々もな」
 蝦夷のというのだ。
「掌握する」
「そちらもですね」
「そうだ、そしてだ」
 そのうえでというのだった。
「統一すればな」
「政を行い」
「海の魔神もな」 
「調べますね」
「本格的にな、これまでは調べてはいても」 
 それでもというのだ。
「本腰は入れていなかった」
「それをですね」
「統一すれば」
「それからはですね」
「本腰を入れてな」
「その余力が出来るので」
「そうする」 
 こう謙二に話した。
「それからはな」
「いや、何かとたい」
 ここで香織も言ってきた。
「海の魔神のことはたい」
「中々な」
「調べてもたい」
「本格的に調べるだけの余力がなかった」
「戦に政にたい」
「調べていてな」
 そうしていてというのだ。
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