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DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜 
ダークホース
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背中越しに聞こえたその言葉に思わず振り返る。そこにいた二人は既に背を向けており、早足で外野へと向かっていくのだった。
















莉愛side

「あ!!こっちこっち!!」

スタンドに着いた私たちを見つけるとブンブンと手を振ってくる優愛ちゃん先輩。あまりにも目立ちすぎる彼女の姿に恥ずかしさを感じながらそちらへと向かう。

「二人とも、痛いところとかないよね?」
「大丈夫です!!」
「特には」

ビシッと敬礼しながら答えた私といつも通りの低めのテンションで答える瑞姫。それを聞いて安心したのか、栞里さんはホッと息を吐いていた。

「もしかして陽香さん相当悪かったんですか?」

栞里さんの反応に思わず瑞姫が問いかけた。その問いに先輩たちは顔を見合わせた後口を開いた。

「重症ではない。でも準決勝、決勝には間に合わないと思う」

陽香さんの左足はどうやら捻挫だったらしい。恐らく本塁突入時は大したことはなかったとのことだったが、投球時の踏み込みでそれが悪化してしまったとのことらしい。

「ということは次の試合は……」
「うん。瑞姫に任せることになると思う」

エースである陽香さんがいないとなれば当然瑞姫にその役割が回ってくる。それを聞いて彼女もわかっているようで小さく頷いていた。

「次の相手は日帝大付属だからね。とにかく振ってくるチームだから疲れると思うけど、いざとなったら私たちも投げれるし」
「大丈夫です。絶対抑えて見せますから」

今日の好投が相当な自信になったようで瑞姫は鋭い眼光で応えてみせる。その頼もしい姿に栞里さんも他の皆さんも笑みを浮かべていた。

「頼もしいねぇ。じゃあ今日は日帝大の戦力確認でもして帰るとしようかね」

そう言って私たちに座るように促す彼女に従う。恐らく次の相手はこの東京都で東英に次ぐNo.2と言われる日帝大付属高校。普通に考えたらそうなんだけど……

(さっきのあの人たち……あの自信は何なの?)

これから格上相手を相手にするとは思えない先程の発言。ハッタリとも取れる言葉なのにそれが妙に胸の中に残っている。この感覚は一体何なんだろう……
















第三者side

ガチャッ

本部席でシートノックを見守っていた各校の顧問たち。その部屋の扉が開かれそちらを向くと、そこには先ほど陽香を連れていった町田の姿があった。

「悪かったな、陽香を任せて」
「いいですよね。監督には世話になりましたからね」

口元は確かに笑っていた。しかし、誰も彼が真田に好意を向けているとは思わなかった。なぜならその目は一切笑っていなかったのだから。

「陽香
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