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俺様勇者と武闘家日記
第2部
エジンベア
美少女コンテスト最終審査・後編
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「とりあえず城にいる魔物は、俺とアルヴィスですべて倒した」
「そっか……、よかった。さすがだね、二人とも」
 つまり、もう魔物は襲ってこない。脅威が去った事実に、私はほっと胸を撫で下ろした。
「……俺一人だったら、この国は守れなかったかもしれないな」
「え?」
ユウリにしては珍しい発言だ。それほどアルヴィスは活躍したということだろうか?
「もしかして、ユウリよりも目立ってたの?」
「……お前、しばらく会わない間にずいぶん言うようになったな」
 しまった、ついビビアンやアルヴィスと同じノリで話してしまった。けれど、ユウリの返答は怒ってはいるものの、トゲのある言い方には感じなかった。
 これ以上何も言ってこないので、さっきの魔物のことをユウリに話してみた。
「そういえばさっきの魔物なんだけど、人の言葉を話してたんだよ。呪文も強力なの唱えてたし」
「人の言葉を話す魔物か。ポルトガで聞いた噂を思い出すな」
 ああ、そういえばそんな噂があったような……。確か、人の姿に化けた魔物がとある国に紛れ込んでるとか……。だから世界各地に入国規制が敷かれたんだっけ。
「もしかしてその国って、ここのこと?」
「違うだろ。今の魔物は人の姿と言う割には、ずいぶん中途半端だった気がするが」
 確かにあの姿を人間と呼ぶには、無理がありすぎる。ということは、他にもそういった魔物がいるということだろうか。
「それより、言葉を話せると言うことは、それだけ知能が高い魔物がいるってことだ。お前よりもよっぽどな」
「いや、最後の一言は余計じゃない?」
 嫌味のある言い方に、私は頬を膨らませる。けれど私の怒りなど気づかないユウリはなおも言葉を続ける。
「城の裏の門が開いていたのを見計らって大勢の魔物を扇動していたようだし、この先もそういう魔物と戦うことになる機会は多くなるはずだ。いつまでも俺の手助けがあるとは考えるな」
「う……うん」
 そうだ。あんな魔物に手こずってる場合じゃない。さっきも結局ユウリのお陰で倒せたようなものなのだから、一人でさっきのような魔物を倒せるくらいまでには強くならなければ。
 気を引き締めたところで、私はふと気になっていたことをユウリに尋ねた。
「そうだ。ここの城門を開けたのって、誰なんだろ? さっきの魔物は、『人間が開けてくれた』って言ってたんだけど」
「人間が開けた? どういうことだ?」
 途端、ユウリは急にその場に足を止めて後ろを振り向いた。その顔の近さに一瞬ドキッとしたが、ユウリの視線は私ではなくその後ろのヘレン王女に注がれているようだった。けれど当の王女は、ユウリに断られてから何やらぶつぶつと独り言を呟いており、まさか自分が見られているとは思わず、気づかないでいる。
「下を見てみろ」
 ユウリに促されるまま、
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