第2部
エジンベア
美少女コンテスト最終審査・後編
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が強い口調で言い放つと、魔物は一際不気味な笑い声をあげた。
『ヒヒヒッ!! 面白い!! ならばお前とそこの小娘ともども、わしの糧となってもらおうかの!!』
「ひぃっ!!」
金色の目玉がぎょろりとヘレン王女の方へ向けられると、王女はびくりと肩を震わせ、咄嗟に私の後ろに隠れた。
「いいえ、倒されるのはあなたよ!!」
顔面蒼白になりながら私にしがみつくヘレン王女をかばいつつ、私は少しずつ間合いを取る。
『威勢のいい小娘だ。だが、わしがなぜ人語を扱えるようになったかわかるか? お前ら人間と同じように呪文を唱えることができれば、楽に殺すことができると考えたからよ!!』
そう言い終わるや否や、魔物は手を前に突き出して高らかに声を上げた。
『ベギラマ!!』
「!?」
ゴオオオッッ!
「きゃあああっ!?」
炎の帯が辺りの地面を舐めるように焼き尽くす。間一髪、私は王女を抱えると同時に、横に大きく跳び退いた。
だが、まさかユウリと同じベギラマを唱えるとは思っていなかったからか、一瞬反応が遅れてしまった。その証拠に、避けたと思った髪の毛の一部が焦げている。
けれど呪文を唱えた後は、隙が生まれるはず。私は王女を魔物から離れたところにある茂みに隠れさせると、星降る腕輪の力で魔物に突っ込んでいき、わき腹めがけて回し蹴りを放った。
『ギャアアアッッ!!』
素早さではこちらが完全に有利だ。魔物は盛大に吹っ飛び、乗っていた箒ごと近くの木に叩きつけられる。ああ、それにしてもドレスを着た状態での戦闘は非常にやりづらい。
「す……すごいですわ……」
後ろでは、茂みの間に顔を覗かせていた王女が、茫然と私たちの戦いを眺めて呟いた。そう素直に言われると、なんだか照れ臭くなる。
でも、まだ致命傷には至ってないはず。私はとどめを刺すため倒れたままの魔物に向かって追撃する。すると、
『ベホイミ!!』
突然魔物が唱え出したのは、回復呪文だった。私は本能的に後ろに退がる。
この魔物、回復呪文まで使えるの!?
『ヒヒッ……。お前がどれほど攻撃を叩きこもうとも、この回復呪文がある限りわしが倒れることはない!』
自身の身体が回復したのを確認したのか、ゆっくりと起き上がる魔物。そして口の端を大きく歪ませ、濁った金色の目玉をこちらに向けた。
「だったら、魔力がなくなるまで攻撃する!!」
とは言え、魔物の魔力がどれ程あるのかわからない。大見得切ってはみたものの、正直ひたすら殴り続けるしか勝算はなかった。
私は再び腕輪の力を使い、魔物に向かって走り出す。続けざまに攻撃を叩き込むが、やはり体力が回復したからか殆ど躱される。それでも魔物の近接的な戦闘能力は高くないのか、回数を重ねるうちに何度かダメージを与えられるようになってきた。その時だった。
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