第二章
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「おい、ヌートリアがいたぞ」
「えっ、アライグマだけでなくですか」
「あの生きものいたんですか」
「最近日本にも入ってきていて」
「それで、ですか」
「ああ、こっちも何とかしないとな」
黒田は眉を顰めさせてそちらの罠も考えた、だが罠を何処に置くかを考えて湖を見るとだった。
「カミツキガメとかブルーギルやブラックバスもいたな」
「湖に捨ててるんですかね」
「ペットとして飼っていて」
「それで、ですかね」
「ああ、生態系が大変なことになるぞ」
湖のそれがというのだ。
「川の方にもツノガエルいたしな」
「それアフリカの蛙ですよね」
「それもペットショップで売ってますけれど」
「捨てたんでしょうね、誰かが」
「そうだな、しかも山にキョンいたしな」
この小さな鹿がというのだ。
「千葉県の動物園で逃げたのが来たのか?」
「何かセアカゴケグモ見たってお客さんいますし」
「トゲアリとかも」
「何か色々変なことになっていますね」
「ああ、生きものを勝手に捨てるとな」
そんなことをすればというのだ。
「こうしてな」
「大変なことになりますね」
「このままだと洒落にならないことになりますね」
「どうしますか?」
「市役所が幸い害獣駆除に熱心だから協力頼むな」
こう言ってだった。
黒田は市役所に行って熱心に相談してそのうえで専門家も派遣してもらってキャンプ場の周りの外来種の駆除を行った、駆除した生きもの達の毛皮は使い食べられるものは美味しく頂いた。
かなりの手間を使ってそれを行った、行政の話になったのでお金はそちらからかなり出たのでそのことで問題はなかったが。
あまりにも多くの労力を使ったので彼は言った。
「もうな」
「はい、二度とですね」
「こんなことは起こって欲しくないですね」
「全くだ、外来種はその場所の生態系を破壊するからな」
そうしてしまうからだというのだ。
「無責任に飼って捨てるなんてな」
「絶対に止めて欲しいですね」
「それは」
「駆除も大変ですから」
「そうだ、さもないと自然が滅茶苦茶になってな」
生態系を破壊されてというのだ。
「キャンプも楽しめなくなるからな」
「自然に触れてキャンプを楽しみたいなら」
「それならですね」
「自然を大切にすることですね」
「それからなんだよ」
スタッフ達に苦い顔で話した、彼にとってはもう二度と起こって欲しくない話だった。
日本のキャンプ場なのか 完
2022・3・19
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